Infineon Technologiesは、ハイエンド産業機器向けに開発された、シングルチャネルゲートドライバ「EiceDRIVER」の製品ファミリ「1EDS20I12SV EiceDRIVER Safe」を発表した。
同ファミリは、IGBT側でリアルタイムでの調整が可能な、スルーレート制御回路(SRC)を採用しており、その電気的絶縁性は、「VDE 0884-10」のに準拠しており、特別な短絡保護機能を採用しているため、最高1200Vの絶縁電圧のアプリケーションで、高いシステム効率を実現することが可能だという。
また、スルーレート制御回路により、開発者は、起動時のコレクタ-エミッタ間電圧を計11種類の製品の中から選択することが可能で、設計要件によって異なるが、これにより、IGBTとEMI動作のスイッチング速度は、動作中に柔軟に変更することが可能だという。さらに、IGBTの高速起動により、高いスイッチング周波数を実現できる一方、低速起動により、電磁干渉(EMI)とモータ側の反射による電圧ピークが低減されることで、絶縁側の負荷が軽減されるとともに、モータの製品寿命を向上させることが可能になるとする。
加えて、スイッチング動作の向上により、これまで以上に小型のdv/dtフィルタを使用することや、アプリケーション設計でこうしたフィルタを一切使用しないこともできるようになるとのことで、スルーレート制御回路を使用しない従来型のドライバICと比較した場合、ターンオン損失を約30%抑えることが可能になるという。
なお、「1EDS-SRC EiceDRIVER Safe」のサンプルは、5月20日より提供が開始され、量産出荷は2014年9月より行われる予定だという。