サーベイリサーチセンターは5月20日、3月27日から4月3日にかけて職場における「ほめる効果」についてインターネットで調査した結果を発表した。

同調査は、職場でのコミュニケーション全般/人材育成・制度/就労意識・ストレス/ほめる・叱られることについて/直属の上司との関係/直属の部下との関係などについて調べたもの。有効回答は665サンプル。

職場に表彰制度などの「ほめる仕組みがある」という回答は全体で4割、ほめる仕組みが「やる気の向上に効果あり」とする肯定的な回答は7割に上った。

従業員の育成の取り組み 資料:サーベイリサーチセンター

管理職・一般社員を対象に従業員の育成を調査したところ、「積極的に」取り組んでいる職場は12.3%にとどまり、「ある程度」取り組んでいる職場が48.7%と半数近くを占めた。「積極的に」と「ある程度」を合計すると、民間で56.1%、公務で66.2%と公務が上回った。

表彰制度などの「ほめる仕組み」の従業員のやる気向上への効果 資料:サーベイリサーチセンター

表彰制度などの「ほめる仕組み」については、「努力や成果を表彰する仕組み・制度(社長賞、月間MVPなど)がある」職場は41.7%、民間で45.1%、公務で38.1%と、やや民間が上回った。

従業員育成に「積極的に」取り組んでいる職場では、69.5%がほめる仕組みを導入しており、表彰制度などのほめる仕組みが従業員のやる気の向上に「効果があると思う」(大いに+ある程度)という意見が71.9%を占め、特に民間管理職で82.3%と高い結果となった。

非役職者を対象に上司との「業務上のコミュニケーション」について「信頼関係」があると回答したのは6割だった一方、「育成方法に不満」という回答も6割に上った。また、「上司からほめられる方だと思う」は5割弱、1ヶ月以内に「ほめられた」は3割強という結果となった。

「上司にほめられた」人の6割強が「同僚・後輩をほめた」と回答しており、「上司の行動や言葉でやる気が高まった」経験は6割弱、その内容は「ほめられた」が最多となった。

非役職者と同様、管理職を対象に「部下の育成」について聞いたところ、「自信なし」が6割弱、「部下をほめているほうだと思う」が7割弱(40代男性では半数以下)、「自分の行動や言葉で部下のやる気が高まった」経験は7割弱、その内容は「ほめた」が最多となった。

「部下をほめるとやる気が高まる」は9割、「叱るとやる気が高まる」は3割強と殆どの管理職が「ほめることで部下のやる気が高まる」と考えていることがわかった。なお、「部下をほめにくい」と考えている管理職は7割弱おり、最多の理由は「ほめる部分が見つからない」と考えていることがわかった。