IDC Japanは5月20日、国内ルーター市場の2013年の実績と予測を発表した。

これによると、2013年の国内ルータ市場は、移動体通信事業者の需要はピークを過ぎて減少に転じた一方、企業向け市場は景気回復の影響を受けて、需要回復の勢いが加速したという。

企業向け市場は、国内景気の回復と円安の進行なども相まり、2013年通年で前年比成長率9.8%のプラス成長を達成し、市場規模は348億7,300万円となった。一方、通信事業者向け市場は、固定通信事業者向け売上の減少に加えて移動体通信事業者向けコアルータ需要が一巡した結果、前年から15.6%減少し744億1,700万円にとどまった。

こうした厳しい環境ではあったが、移動体通信事業者向けエッジルータ需要が通信事業者向け市場を下支えし、2013年の市場全体では、通信事業者向け売上の減少が影響し、前年比成長率マイナス8.8%の1,092億9,100万円となった。

ベンダーシェアを見ると、2013年は順位の変動が相次ぎ、アルカテル・ルーセントは移動体通信事業者の需要獲得が牽引役になり、シスコシステムズに続いて国内2位を獲得した。

企業向けルーター市場の好調さを受けて、ヤマハ、富士通、NECがシェアを拡大する一方、固定通信事業者の投資減少の影響を受けたベンダーは順位を下げた。

2014年は、企業向け市場では景気回復を背景にした企業のネットワーク分野への投資が続く一方、通信事業者向け市場では移動体通信事業者、固定通信事業者共に現行サービス向け投資が減少し、ルーター市場全体では前年比成長率マイナス2.2%の1,069億1,100万円になると予測されている。

国内ルーター市場 ユーザーセグメント別 エンドユーザー売上額予測(2009年~2018年) 資料:IDC Japan