IBM Researchは5月19日(米国時間)、低コストのリニア方式塗布型磁気テープにおける新記録となる1平方インチ当たり859億ビットの面記録密度を実証したと発表した。

この記録密度によって、業界標準のLTOテープ・カートリッジに最大154テラバイトの非圧縮データを格納できるようになる。

このデータ量は、IBMの第6世代LTOテープ・カートリッジの容量の約62倍、1億5,400万冊の書籍(収納するにはラスベガスからワシントン州シアトルまでの長さの書棚が必要)分のテキストに相当する。

IBM Researchはこの記録を達成するため、「より微細なバリウムフェライト(BaFe)磁性体の活用を可能にする、新しく改良した書込みフィールド・ヘッド」「ナノスケール精度のヘッド・ポジショニングを実現し、第6世代LTOフォーマットと比較して27倍のトラック密度増加を可能にする先進サーボ制御技術」「0ナノメートル幅のGMR読み取りヘッドを採用して信頼性の高いデータ読み取りを可能にするデータ・チャネルの革新的な信号処理アルゴリズム」を開発した。

2つのテスト装置を用いてスパッタ媒体の小さなサンプルの磁気特性の研究が行われ、今回の記録は、富士フイルムが開発した新しい先進テープの試作品を用いて達成した。

1平方インチ当たり859億ビットの面記録密度を実証した低コストのリニア方式塗布型磁気テープ装置