博報堂の博報堂ブランドデザインとテーマビジネス開発局は5月19日、ブランディング・パッケージ「LoCoBra」の考え方に基づき実施した「"属"ブランド力調査」の分析結果を発表した。
「LoCoBra」は、ブランドづくりに必要な3つの要素「志」「形」「属」の観点から地域社会のブランディングを支援するもの。
「志」は、ブランドを通じて実現したいこと、社会的意義、目指すべき将来像やビジョン、「形」はブランドの個性、スタイル、独自性を象徴するもの(名称、シンボル、商品、サービスなど)、「属」はブランドのもとに集まる仲間、ブランドを応援するサポーターやコミュニティ。
今回の調査は、3つの要素のうち、ブランディングに最も重要な「属」に注目して実施された。
同調査では、「自分の都道府県には、自分の都道府県を愛している人が多いと思うか」など5つの視点からの質問に対し、それぞれ「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方の割合の平均値によって、各都道府県における「属」のポテンシャルを明らかにしている。
さらに、各都道府県に対し、県内に住む人(以降、内部)と県外に住む人(以降、外部)の評価をそれぞれ集計するとともに、生活者が各都道府県の属を評価する理由も自由回答で抽出している。
内部評価と外部評価の差に注目したところ、47都道府県中31県で、内部評価よりも外部評価が上回り、内部である県内の住民を中心とした属を高めることで、ブランド強化の可能性があることがわかった。
同調査では、内部評価と外部評価の差がある都道府県のうち、特徴がうかがえるものとして、福岡県、奈良県を挙げ、結果を分析している。
福岡県は、外部よりも内部から属を高く評価されていた。その理由について、「住むことで初めてわかる住環境の絶妙なバランスが日本屈指の住みやすさを生み出し、結果として、福岡県では外部よりも内部の属の評価の方が高い結果となっている」としている。福岡県は、高く評価している内部の属を起点としながら、属の外部評価を高めることで、ブランド力を高められる可能性があるという。
奈良県は、内部よりも外部から属を評価されており、まずは住民をエンパワメントとし、属の内部評価を高めることが、後に属の外部評価につながり、ブランド力が高められる可能性があると指摘している。