ロームは5月16日、自動車のボディパワートレイン系マイコンの電源に最適なLDO「BD4xxMx」シリーズ16品種を発表した。

近年の自動車における電源ICは、電装化や多機能化が進むにつれて、オールマイティを追求するよりも、それぞれの状況に応じてパッケージや出力電流など、用途に合うように種類の豊富さや、求められる特性を広範囲でカバーするようなシリーズ展開が求められている。また、自動車業界は、東日本大震災やタイの洪水などの自然災害に対するリスクヘッジを背景にした数社による並列購買、または使用部品の標準化を全世界的に推進しており、この動きは今後ますます加速すると推測される。そこで、ロームではこれらの動きにいち早く対応し、さまざまなパッケージや出力電圧・電流ラインアップを持ち、汎用性が高く、あらゆる用途をカバーできる車載向けLDOを開発した。

「BD4xxMx」シリーズは、出力電圧と出力電流はもとより、過酷な環境向けのパワーパッケージから面積を削減する小型パッケージまでラインアップしており、自動車の電子部位全般に向けて開発されたLDOである。0.35μmのBiC-DMOSプロセスを採用し、長年培ってきたアナログ設計技術を駆使することで、入力耐圧45Vとさまざまな車載用途に適応する高い信頼性に加え、無負荷時には一般品の1/2以下、有負荷時にも一般品と比較して安定した低消費電流を実現しており、自動車の省エネ化に寄与する。さらに、出力変動対策、発振対策では、一般品と異なり1~10μF程度の小さな容量でも安定した電圧出力ができるため、外付け部品にセラミックコンデンサを使用でき、省スペースを実現している。

今回の「BD4xxMx」シリーズにより、カーインフォテイメントなどの情報系電源用途に最適な「BDxxC0A」シリーズと合わせて43品種となり、車載向けLDOシリーズとして、あらゆる用途に対応するとしている。なお、サンプル価格は100円。2013年6月よりサンプルを出荷しており、2014年2月から月産150万個体制で量産を開始している。

自動車のボディパワートレイン系マイコンの電源に最適なLDO「BD4xxMx」シリーズ