NXP Semiconductorsは、高速MIPI-PHYおよびHDMIインタフェース用途のESD保護を内蔵したコモンモードフィルタ(CMF)「PCMF」シリーズとして、2差動ペア向け「PCMF2DFN1」と、3差動ペア向け「PCMF3DFN1」を発表した。

「PCMF2DFN1/3DFN1」は、強力なシステムレベルのESD保護を備え、コモンモード抑制において業界最高の帯域幅を実現している。また、高さが最大0.5mmという、小さく薄いDFNパッケージで提供され、フットプリントは業界標準であり、スマートフォン、タブレット、その他ポータブル機器に対応できる、コンパクトでスリムな設計となっている。

具体的には、Wi-Fi 4.9~5.8GHz周波数帯での18dBを超える標準的な同相信号除去と、GSM 900スペクトラム周辺での20dBを超える標準的な同相信号除去が可能な他、箱から出してすぐに使えるような単純な設計となっており、市場までの投入期間を短縮できる。さらに、幅広い帯域幅をサポートしており、最適なソリューションを求めて異なるナローバンドフィルタを試験するといった時間を費やすことがなくなる。加えて、コモンモード抑制において、あらゆる一般的なデータレートおよび高調波をカバーする、業界最高レベルの帯域幅に対応している。そして、2GHz以上をカバーする差動通過域を持ち、1.5GbpsまでのすべてのMIPI D-PHYデータレートに対応し、3.4GbpsのHDMIアイダイアグラム要件もクリアしている。

一方で、高いシステムレベルでのESD保護を実現するディープスナップバック、および低い動作抵抗ESDのパルスは、閉じた筐体の中でも、携帯電話やタブレットのカメラ部分などにある隙間を通じ、データラインに影響を及ぼす。これに対処するため、独自のディープスナップバック技術を用いたESD保護機能を採用している。ディープスナップバック技術を用いた保護デバイスでは、ESD発生時に起こる動作抵抗が負となる。これに加え、スナップバック後の動作抵抗の値は、市販されているESD保護搭載のコモンモードフィルタの中でも最低となっている。この組み合わせにより、センシティブなSoCに対しても最高の保護が保証されるとしている。

NXPの2差動ペア向け「PCMF2DFN1」のパッケージイメージ