Analog Devices(ADI)は5月16日、低ノイズと高ダイナミックレンジを実現した2GSpsの12ビットA/Dコンバータ(ADC)「AD9625」を発表した。
同製品は、同社のワイドバンドRFデータ・アクイジション・テクノロジーシリーズに位置付けられるもので、FPGAとJESD204に準拠した接続が可能。また、最大2GHzの入力周波数に対応し、1GHz入力時で、80dBcのスプリアスフリー・ダイナミックレンジ(SFDR)と59dBのSNRを提供するほか、-149.5dBFS/Hzノイズフロアによる優れたノイズスペクトル密度と高入力帯域幅により、第2ナイキストゾーンへのアンダーサンプリング・システム・アーキテクチャを利用でき、周波数ダウン変換ステージの節減が可能になるという。
さらに、それそれ個別にプログラミング可能な2個のデジタル・ダウン・コンバータ(DDC)や、2個の数値制御発信機(NCO)を搭載しているほか、そしてデータ出力部にJESD204Bシリアルリンクが用意されている。
なお、同社では電子試験&計測分野や航空・防衛分野、通信分野、高速にデータを収集することが要求される分野などに向けて提供していくとしており、日本では特に通信分野を中心に、高い性能を求める分野の開拓なども進めていくとする。すでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価は625ドル(米国での販売価格)となっている。