NTTは5月15日、6・7月にNHKが実施する8Kスーパーハイビジョンによる2014 FIFA ワールドカップ ブラジルのパブリックビューイングにおいてIP伝送技術を提供し、ブラジル-日本間(約1万8,000km)での超高臨場感ライブ映像伝送の実証実験を行うと発表した。
今回の技術は、NHKと共同で行った国際共用IP網を利用したブラジル-日本間での8Kスーパーハイビジョン伝送実験の成果を適用したもので、国際標準のメディア伝送規格MMT(MPEG Media Transport)にNTTが開発した誤り訂正技術を適用することにより、国際共用IP網を介して高精細な8Kスーパーハイビジョンを安定・高信頼に伝送することを可能にする。
ライブ映像伝送の実証実験に先立ち、NTTの研究開発用テストベッドネットワーク「GEMnet2」、国立情報学研究所の学術情報ネットワーク「SINET4」、米国の「Internet2」、中南米の「RedCLARA」、ブラジルの「RNP」を相互接続することにより、ブラジルから日本にかけて2つの伝送ルートによる実験網を構築し、2つのルートを併用してデータを伝送するマルチパス伝送が行われた。
伝送には共用ネットワークを用いられたため、輻輳などの影響によりパケットロスが発生する可能性があるが、NTTが開発したパケット伝送用誤り訂正符号(FireFort-LDGM符号)を適用することで、パケットロスが発生した場合でも映像が途切れることなく、ブラジルから日本まで8Kスーパーハイビジョンを安定して届けることができた。