富士フイルムは、内視鏡システム「Advancia」シリーズ用の汎用スコープとして、メガピクセルCMOSセンサを搭載し、高精細・高画質を実現した上部消化管汎用スコープ「EG-600WR」と下部消化管汎用スコープ「EC-600WM」を発表した。

同社の内視鏡システムには、キセノン光源とレーザ光源の2種類がある。キセノン光源の内視鏡システムでは、白色光での通常観察や、コントラストが高い画像をリアルタイムで生成する分光画像処理機能FICEを用いた観察が可能。これに対し、レーザ光源の内視鏡システムでは、レーザ光源専用スコープによるBLI(Blue LASER Imaging)機能を用いた観察を行うことができる。

今回の「EG-600WR」と「EC-600WM」は、キセノン光源を用いた「Advancia」シリーズ用の汎用スコープで、イメージセンサにメガピクセルCMOSセンサを採用。独自の画像処理技術と組み合わせることにより、優れた解像度を持つ明るい静止画と、高精細で滑らかな動画を得ることができる。また、分光画像処理機能FICEを使うことで、表層血管・病変の視認性のさらなる向上が期待でき、病変の早期発見やスクリーニングをサポートする。さらに、新たに設計したレンズを搭載することで、最短2mmからの近接観察が可能となった。スコープを近づけるだけで65倍相当の拡大効果を得ることができるため、病変などをより細部まで観察できる。

また、医師のストレス軽減や患者への負担軽減をサポートするために、操作性や挿入性も向上させたという。「EG-600WR」は、消化管内の粘液などを除去するウォータージェット用管路を内蔵しながら、従来機と比べてさらに細径化し、先端部外径9.2mm、軟性部外径9.3mmを実現している。「EC-600WM」は、微妙な力加減を先端部に伝わりやすくするため、手元から先端に向かって連続的に硬さを変化させる軟性部を採用。挿入性の向上が図られている。

なお、両製品は、6月16日より富士フイルムメディカルを通じて発売される。

左から「EG-600WR」の先端部、「EG-600WR」のウォータージェット機能、「EC-600WM」の先端部、「EC-600WM」の先端部アップ