2014年5月14日から16日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「第3回 ワイヤレスM2M展(WM2M 2014)」において、サイレックス・テクノロジーは親会社の村田機械と合同で自社の無線LANモジュールや無線搭載機器を用いたデモなどの展示を行っている。
今回、同社のブースでは今年度から来年度にかけて発売される予定の多くの参考出展製品の展示が行われている。例えば、ワイヤレスデジタルサイネージ製品「Multicast Distribution System X-5シリーズ」のIEEE802.11ac対応製品のデモでは、頭に付けられるタイプのカメラの映像を、2台の11ac対応機器間で無線伝送でやり取りしている様子を見ることができる。実際の環境においても伝送速度は400Mbps程度を出せるとのことで、高解像度の映像をマルチキャスト配信するニーズなどへの対応を見込むとしている。
また、同社がかねてよりアナウンスしている接続状況などを遠隔監視できるソリューション「Wireless Frame Capture Device(仮称)」のデモも「無線LANパケット無人キャプチャーデモ」として見ることができる。これは、無線LANを用いている多くの人が経験したことがあると思うが、SSIDなどは見つかるが、実際にはネットワークに接続できない、本当にアクセスポイントから電波が飛んでいるのか確認できれば、といったニーズなどに対し、専用の機器が勝手にパケットデータを収集し、そのステータスなどを監視することを可能にするもの。デモでは、会場内の無線LANの状況のほか、VPNを介した同社本社(けいはんな)ならびに東京オフィスの無線LANの状況を確認することができた。
「無線LANパケット無人キャプチャーデモ」の様子。右のタブレットにて、3拠点の通信状況を確認することができる。ただし、これが実際のソリューションとして提供されるわけではなく、あくまで参考出展なので、こういったことができます、という技術のアピールがメインであり、具体的なビジネスとしては、さらなる顧客ニーズなどの吸い上げが必要とのこと |
このほか、静態展示であるが、産業機器での組み込み用途に向けたワイヤレスアクセスポイント(親機)「SX-AP-5800EWB」や、Freescale Semiconductorのモジュール型開発プラットフォーム「Tower System」に対応した超小型無線LANモジュール搭載ボードも参考出展品として見ることができる。
「SX-AP-5800EWB」は工場などの過酷な環境で用いられる産業機器の内部に搭載して用いることを前提に耐ノイズ性や耐環境性を考慮した設計を行ったモジュール。電源には24VDC 絶縁型コンバータを搭載することで、電源/GNDラインからのノイズの回り込みを防ぐことが可能だという。また、ホスト側用に2×2の無線LANモジュールを、クライアント側用に1×1の無線LANモジュールをそれぞれ搭載することが可能で、アクセスポイント機能とワイヤレスブリッジ機能の2つの機能をサポートする。