前回はEvernote Businessの概要をご紹介したが、今回は具体的な使い方を見ていこう。

Evernote Businessの使い方は、個人向けに提供されている「Evernoteプレミアム」と基本的に同じ。ノートブックを作成する際に、会社所有となる「ビジネス」と自分のものになる「個人」の2種類があることや、管理者からおすすめのビジネスノートブックを目立つように表示させる機能があることなどがプレミアムと異なる点だ。

PC版のEvernoteアプリケーション画面。ノートおよびノートブックは「個人」と「ビジネス」で区別され、一つのアカウントで使い分けが可能

管理者が目立たせたいノートブックを掲載して、クラウド上の回覧板として活用できる

Evernote Businessで新規プロジェクト

例えば、新規プロジェクトの管理を行なう場合、どのような使い方ができるだろうか。まずはプロジェクトキックオフにあたり、作業の場となる「ビジネスノートブック」を作成する。

新規ノートブックで「ビジネス」を選択し、名前を入力して「OK」

ノートブックを「ビジネスに共有」にすると、ビジネスライブラリから他のユーザーが自主的に参加可能に。もちろんひとつのノートを複数人で共同編集することもできる

ノートはテキスト書き込みや画像、音声などの貼り付け、Office文章の添付など、様々な形式の情報を一ヶ所にまとめられる。ノートの検索機能は、画像内の文字やPDF、Office 文書の中まで行うことができるので、必要な時に情報を探し出すことができ便利だ。

また、PDFをアップロードすればテキストやフリーハンド・図形等の書き込みができる。ほかにも、Evernoteと連携する各種ツールを活用することで、より広い表現力を得ることができるメリットがある。

ノートに直接テキストを書き込むほか、形式を問わず関連する情報を一カ所にまとめられる

PDFに文字や矢印などを柔軟に書き込み ※Windows版ではFoxitが必要

タブレット用の手描きアプリ「Penultimate」で作成したノートをEvernote Businessに保存

スクリーンショットを撮る「Skitch」と連携して、Webページのキャプチャも資料として使いやすくなる

名刺や紙の書類をデジタル化して管理するなら、ドキュメントスキャナ「ScanSnap Evernote Edition」を活用するとさらに便利になる。Evernote専用にデザインされているため、名刺・レシート・写真・書類を一緒にまぜて読み込んでも、紙種別を自動認識してくれる。また、事前に設定したノートブックに割り振って保存することも可能だ。

ほかに、ノートブック単位で外部のユーザーとの共有も設定することができる。タイムラグなしで全ての情報が共有でき、連絡にかかる手間とメールの数が減れば、実務にかけられる時間を増やす事につながるはずだ。

このように、Evernote Businessはミーティングの議事録から各種資料のライブラリ、タスク管理など、プロジェクトの進行作業に必要な様々なものを共有・管理する場となる。

集めた資料を活用する

しかし情報を溜めるだけではただのストレージと変わらない。Evernote Businessの特徴は情報を活用することでさらなる価値を発見できる可能性があることだ。

例えば、「企画書を作っている時に関連するニュースのクリップが表示されたら?」「誰かが似たアイデアをメモしていたら?」「過去のプロジェクトから意外な人脈を発見できたら?」……。

今日、あなたがクリップしたWebページが、明日誰かの役に立つかもしれない。こうした新たな発見が、ただのクラウドストレージにとどまらないEvernote Businessの強みだ。

自動的に表示される「関連ノート」。紙の資料や個々のデバイスにファイルを入れたままでは見つからない情報や知識を共有・活用できる

Webクリップを集めて社内ソーシャルブックマークにするだけでも、有益な情報交換になるだろう

プロジェクト管理に役立つEvernote Businessの機能

この他にもプロジェクト管理やビジネスのコラボレーションに役立つ様々な機能が提供されている。これらはあくまで「機能」であって、使い方を強制するものではない。

目的のために使い方を自由に創造していける柔軟性は、Evernoteそのままだ。それを活かして、特にスマートフォン・タブレットではサードパーティ製アプリも数多い。

テキストと画像を並べたノートを見栄えのよいプレゼン資料にする「プレゼンモード」(Mac版/iOS版)

やることが具体的に決まったらチェックリストで管理

スマートフォンやタブレットでもシームレスに活用

実際にEvernote Businessを使ってみて感じたことは、ツールというより一種のプラットフォーム。何かを作る人々をつなぎ、作業の場を提供するものだ。

どう使って何に役立てるかはユーザーの目的や環境によって大きく異なってくるだろう。しかし、何かを作りたいと思った時、それに関わる全員の持つ情報を同じプラットフォーム上に載せてみれば、自分が知らなかった事や知りたかった事がきっと見えてくるはずだ。

情報を知識に、そして知恵へと練り上げるために必要なその土台を、Evernote Businessで見つける事ができるだろう。

Evernote Business


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