総務省情報通信政策研究所は5月14日、「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」の結果速報を発表した。

同調査は、都立の全日制・定時制の高等学校154校を対象に、郵送による無記名自記で実施したもので、有効回答数は合計1万5,191票。

「ネット依存傾向」は、心理学者のキンバリー・ヤング博士が提唱した20項目のインターネット依存尺度を参考に調整したものを用い、博士の手法に従い、点数に応じて「高」「中」「低」の判定をしている。

依存傾向が「高」の生徒は全体の4.6%、「中」の生徒は55.2%だった。「高」の割合は、男子3.9%、女子5.2%と女子のほうが高く、学年別では、1年生5.2%、2年生4.8%、3年生3.7%と低学年のほうが高かった。

高校生のネット依存傾向 資料:総務省情報通信政策研究所

依存傾向「高」の生徒の機器ごとのネット利用時間は、スマートフォン/フィーチャーフォンが262.8分、PCが91.9分、タブレット端末が25.5分だった。

サービスごとの利用時間は、「ソーシャルメディアを見る」「ソーシャルメディアに書き込む」がそれぞれ全体では57.2分、32.0分。これを男女別に見ると、男子は37.3分、21.2分であるのに対し、女子はそれぞれ74.4分、41.4分と2倍だった。一方、「オンラインゲームをする」の平均利用時間は、男子(27.3分)が女子(13.8分)の2倍となった。

ソーシャルメディアでよくやりとりする人数は、全体では「今通っている学校の友だち」が15.0人、「以前通っていた学校の友だち」が10.2人、「ソーシャルメディア上だけの友だち」が19.4人という結果になった。

これに対し、依存傾向「高」の生徒は、「ソーシャルメディア上だけの友だち」が93.1人と多く、「ソーシャルメディア上で初めて知り合い、実際にあったこともある友達」も5.3人(全体平均は1.8人)だった。

ソーシャルメディアでよくやりとりする人数 資料:総務省情報通信政策研究所

依存傾向「高」の生徒のうち、「ネットのしすぎが原因で、引きこもり気味になっている」は49.0%、「ネットのしすぎが原因で、健康状態が悪化している」は39.8%、「ネットのしすぎが原因で学校に遅刻したり、欠席しがちになっている」は35.8%という結果が得られ、いずれも全体平均の4倍(値は「いつもある」「よくある」「ときどきある」の合計)だった。

加えて、依存傾向「高」の生徒ほど、ソーシャルメディアの利用に際し、悩んだり負担に感じたりしていることが多いという結果となった。