デルは5月14日、サーバに内蔵したPCIe SSDストレージを複数のサーバ間で共有して、SANストレージのキャッシュとして利用できるソリューション「Dell Fluid Cache for SAN」を発表した。
このソリューションは、同社のストレージ製品「Dell Compellent」向けのもので、デルのサーバに内蔵した複数のPCIe SSDストレージをCompellent用のストレージキャッシュプールとして利用できるもの。ストレージキャッシュプールは他社製も含めた複数のサーバで共有できる。
ストレージキャッシュとして利用できるのはPCIe SSDで、「Dell Express Flash PCIe SSD」のほか、「Micron M420P SSD cards」などが利用できる。ストレージキャッシュを搭載できるサーバはDell製のみで、最大8台まで。最大で12.8GB(1.6GB×8台)のキャッシュを利用できる。自動階層化やキャッシュを意識したスナップショット、レプリケーションや圧縮などのSAN機能も統合されている。なお、利用には、10/40GbEのキャッシュ専用のネットワーク構築が必要になる。
「Dell Fluid Cache for SAN」は、OLTPデータベースやVDI等の利用に適しており、同社のラボでのテストでは、500万IOPSを実現しているという。
「Dell Fluid Cache for SAN」は、サーバ上(Linux、VMware ESX)で動作するソフトウェアと、「Dell Compellent」用OSである「Dell Compellent Storage Center」によって利用可能で、対応製品は2014年第2四半期中(5-7月期)に全世界で提供が開始される予定。
米DELL エンタープライズ・ストレージ プロダクト・マーケティング・エグゼクティブ・ディレクター トラビス・ビシル氏は、「Dell Fluid Cache for SANは、ソフトウェアをベースにしており、もともとはデルが2011年に買収したCompellentが持っていた技術だが、2年半掛けて、テルのテクノロジーを統合している。複数サーバでの単一キャッシュをプール、ライトキャッシュバック、単一の管理インタフェースの3つのメリットがある。リード用にキャッシュを使うソリューションはほかにもあるが、ライトキャッシュバックに対応している点はデルの大きな特徴だ」と述べた。
デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長 町田栄作氏は「デルはこれまで180億ドルの投資を行い、知的財産など、Software-Defeinedに向けた準備を進めてきた。デルは標準でオープンな選択肢を用意しており、今後も運用の自動化を図っていくという方向性は変わらない」と述べた。