Texas Instruments(TI)は5月13日、PLC I/Oモジュール、フィールドセンサ、トランスミッタ、ビルディングオートメーションシステムの精度と性能の向上と同時に、システムサイズとコストの低減を実現したD/Aコンバータ(DAC)「DAC8760」ファミリを発表した。
同ファミリは、電圧と電流の同時出力を実現。これにより、システム設計時に電圧と電流出力の一方または両方の使用が可能なことから、設計の自由度が向上する。機能面では、TUE(総合未調整誤差)が0.1%と低く、較正が不要である。また、電圧出力、4~20mAの電流出力、高精度リファレンス、LDO(低ドロップアウト)レギュレータと同時に、ウォッチドッグタイマやCRCチェックによるオンチップ信頼性機能と診断機能が提供される。さらに、SPI(シリアルペリフェラルインタフェース)による電圧出力と電流出力範囲の設定が可能。この他、動作温度範囲が-40℃~+125℃と、同等製品と比較して32%拡大させたという。
この他、サポートツールとして、産業機器のアナログ出力(AO)向け電圧/電流出力複合端子の「TIPD119」、1チャネル産業用電圧/電流出力ドライバ、絶縁型、EMC/EMIテスト済みの「TIPD153」、PLC向け16ビット、アナログ出力モジュールリファレンスデザインの「TIDA-00118」などがある。そして、「DAC8760」ファミリの性能と動作特性の評価を簡単にする評価モジュールが提供されている。これらの評価モジュールには、ESD(静電気放電)耐性やEMI(電磁妨害)耐性を向上させる追加コンポーネントを搭載した、エンハンスド評価モジュールも含まれている。加えて、基板レベルのシグナルインテグリティシミュレーションやタイミング解析を可能にするIBISモデルも供給中。
なお、16ビット、電圧出力、4~20mA電流出力の「DAC8760」は、パッケージが4.4x7.8mmサイズのTSSOPもしくは6mm角のQFN。価格が1000個購入時で3.99ドル。同製品には、評価モジュール「DAC8760EVM」、エンハンスド評価モジュール「DAC8760EMC-EVM」が用意されている。