横河電機は5月12日、TFT-LCDの採用をはじめとした設計の見直しにより、視認性および保守性を向上させたシングルループコントローラ「YS1000」シリーズの機能強化版を発表した。

シングルループコントローラは、電力、石油精製、石油化学、化学、鉄鋼などさまざまな産業のプラントにおいて、温度、流量、圧力などの測定データを受け取り、それらを適切な値に保つようバルブなどの操作端に指示を送る制御機器である。1つの制御ループに対して1台ずつ設置されるもので、分散形制御システムのバックアップ用途の他、小規模プラントの制御などにおいて幅広い需要がある。

今回、熟練したエンジニアの減少、他社からの置き換えニーズの増加を背景に、より使いやすく保守性に優れたコントローラが求められるニーズに応えるため「YS1000」シリーズの機能強化版を発表した。ディスプレイ部は、STN-LCDからTFT-LCD液晶に変更され、視野角が従来比で1.5倍以上に拡大した。さらに、コントラストや輝度も向上し、視認性が大幅に向上した。また、ディスプレイの推奨交換周期も長くなったという。この他、シングルループコントローラは通常、長期にわたって運用するため、ディスプレイの交換が必要となる。今回の機能強化では、操作端への出力を保持したままディスプレイを交換できるようになったので、プラント稼働中でも交換できるとしている。

横河電機は、シングルループコントローラ「YS1000」シリーズの機能強化版を発表した