CA Technologiesは5月13日、イメージバックアップ製品「CA ARCserve D2D」をベースに、「CA ARCserveBackup」、「CA ARCserve Replication/High Availability」の機能を統合した統合バックアップ・リカバリソリューションの新製品「CA arcserve Unified Data Protection(CA arcserve UDP)」を発表した。
「CA arcserve UDP」は、「CA ARCserve D2D」をベースに、「CA ARCserveBackup」、「CA ARCserve Replication/High Availability」の機能を統合 |
CA Technorogies データマネジメント事業部 プロダクトソリューション部 シニア・コンサルタント 森正臣氏によれば、「CA arcserve UDP」は、簡単、仮想化統合基盤、災害対策の3つのテーマで機能強化を行ったという。
簡単では、これまで「CA ARCserve D2D」で提供してきた、ブロックレベルのバックアップ、増分バックアップ、ベアメタル復旧、エクスプローラを使った簡単ファイルリストアといった基本機能は継承し、新たにiSCSIのサポート、詳細なスケジュール設定、ジョブ・監視ツールとの連携、Windows/Linuxの同一画面での管理といった機能を追加している。
詳細なスケジュール設定では、1日1回の増分バックという設定において、土日のバックアップは行わないといった設定することが可能になったほか、日次、週次、月次という設定ができるようになり、毎日バックアップするよりも世代管理が簡単になった。
仮想化統合基盤に向けては、物理・仮想マシンの統合管理、エージェントレスバックアップ、イメージバックアップのテープ保管、バックアップ設定のメニュー化などの機能強化を行っている。
バックアップのためのモジュールをインストールする必要がなく、仮想化基盤側でバックアップ運用を完結できるエージェントレスバックアップでは、これまで提供してきたVMwareのvSphere環境に加え、新たにMicrosoft Hyper-Vにも対応する。
バックアップ設定のメニュー化などの機能強化では、システムの保護方法をプランとしてあらかじめ型決めし、松竹梅のように保護レベルでメニュー化してユーザー部門に対して提示できる。
上位のPremium/Premium Plusのエディションでは、仮想化統合基盤に向け、さらに以下の図のような追加機能を利用できる。
災害対策向けでは、バックアップの重複排除、バックアップデータの転送、仮想スタンバイサーバの自動作成、マルチテナントストレージ機能などの機能強化を行っている。
重複排除はバックアップする際に行い、ノード間の重複排除も行う。また、バックアップデータの転送では、バックしたデータを遠隔地に転送する機能を標準でサポート。世代数も遠隔地で個別に設定が行えるようになった。
仮想スタンバイサーバの自動作成は、従来はオプションで提供されていたが、今回は標準で利用できるようになっている。
そして、マルチテナントストレージ機能は、サービスプロバイダ向けの機能で、1つのサーバ環境に、複数契約企業のバックアップデータを保存できる。
なお、上位のPremium/Premium Plusのエディションでは、さらに以下の災害対策向け追加機能も利用可能だ。
CA Technorogies データマネジメント事業部長 江黒研太郎氏は、「CA arcserve UDPでは、3つの製品の機能が統合されたが、従来のARCServe D2Dの特徴である、安くて簡単なイメージバックアップという点は変わらない。CA arcserve UDPは全く新しい製品となったが、新たな市場を開拓するための製品ではなく、機能を強化して、いままでARCserveが得意としていた市場を広げていくための製品だ」と述べた。
ライセンス課金は、バックアップ対象ごとで、物理サーバ単位の場合は8万円/台から、仮想化などソケット単位の場合は8万円/ソケットからとなっている。なお、この価格は従来製品の「CA ARCserve D2D」と同一だという。