メディネットは5月12日、ディナベックの保有する「樹状細胞を増幅する特許技術」に関する実施許諾契約を締結したと発表した。

免疫細胞治療の1つである樹状細胞ワクチン療法は、治療効果と投与細胞数を投与回数が相関することが報告されているものの、がん患者から十分な細胞数を得る方法として、装置を用いた血液からの細胞成分分離(アフェレーシス)による大量の血液採取法があるが、患者の負担となる場合があり、その負担を軽減しつつ、治療効果の向上が期待できる新たな培養技術の開発が求められている。

今回契約されたディナベックの技術は、安定した品質の樹状細胞の量産を可能とする技術で、メディネットでは、自社の樹状細胞ワクチン療法にかかる培養技術を組み合わせることで、従来に比べ、大量かつ安定的に細胞を培養できるようになるとの見方を示している。

今回の契約に伴い、メディネットでは第1段階として、がん治療分野における樹状細胞ワクチン治療技術あるいは樹状細胞を用いた細胞医療製品の開発に向けて、技術評価を実施していく予定としている。また今後は、樹上ワクチン治療技術あるいは樹状細胞を用いた細胞医療製品としての事業可能性を精査したうえで、事業可能性が見込まれた場合、さらなる実用化に向けた研究開発を進めて行くとしている。