帝国データバンクと東京商工リサーチは5月12日、企業倒産の集計結果を発表した。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では858件/1,429億5,600万円、商工リサーチの発表では914件/1,410億8,700万円となっている。

帝国データバンクの調査結果

2014年4月の全国企業倒産の件数は、前年同月に比べ5.3%の減少となり、9ヵ月連続で前年同月を下回った。その要因として、建設業が前年同月比18.4%の大幅減少が挙げられている。

2014年4月の全国企業の負債総額は、前年同月比78.9%の減少となり、4月としては2000年以降で最小を記録した。その背景には、負債100億円以上の大型倒産が発生せず、負債0億円以上の倒産も29件にとどまったことがあるという。

全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク

業種別では、7業種中4業種で前年同月を下回った。建設業(168件、前年同月比18.4%減)は19ヵ月連続の前年同月比減少となったほか、卸売業(122件、同14.1%減)、不動産業(23件、同11.5%減)でも前年同月比2ケタの大幅減少となった。

地域別では、9地域中4地域で前年同月を下回った。なかでも、中部(116件、前年同月比17.1%減)で大幅な減少となったほか、関東(316件、同11.0%減)でも前年同月比で2ケタの減少となった。

商工リサーチの調査結果

2014年4月の倒産件数は、前年同月比1.6%増(15件増)で、2012年10月以来18ヵ月ぶりに前年同月を上回った。連続減少期間は過去5番目の17ヵ月でストップした。

ただし、4月度としては1995年以降の過去20年間で2013年(899件)に次いで2番目に少ない水準となり、依然として全体の基調は抑制された状況が続いているという。

2014年4月の負債総額は、前年同月比79.4%減(5,449億円減)で、3ヵ月連続で前年同月を下回った。前年同月は建築工事のカブトデコム(北海道・負債5,061億円)の大型倒産発生で負債が膨らんだのに対し、当月は負債100億円以上の倒産が3ヵ月連続で発生しておらず、負債1億円未満の倒産が647件(前年同月比5.2%増、構成比70.7%)と小規模倒産が増加したことが、この大幅減に影響したという。

全国企業倒産月次推移 資料:商工リサーチ

産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、6産業が前年同月を上回った。増加したのは、卸売業、小売業、不動産業、運輸業、情報通信業、サービス業他。

運輸業は51件(前年同月比30.7%増)で、2013年5月(51件)以来の50件超えになり、サービス業他は229件(同16.8%増)と2ヵ月連続で増加した。

主要産業倒産件数推移 資料:商工リサーチ

地区別では、北海道・東北・関東・中部・北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、5地区で前年同月を上回った。増加したのは、北陸、関東、東北、北海道、九州。