パナソニック・ゴーベル インドネシアは5月12日、今年3月にインドネシア技術評価応用庁などの同国政府機関と協働し、防災無線システムの実証実験を実施したと発表した。
アジアの中でも、インドネシアは太平洋・ユーラシア・オーストラリア各プレートがせめぎ合う地殻構造をしているため、地震や津波の被害に遭いやすい地域となっており、災害の被害を軽減する施策を打ってきたが、被害の状況を正確に予測し、安全を確保することは困難だった。
こうした背景の下、同社はインドネシア政府機関と協働し、防災無線システムの実証実験をパダンで行われた大規模な防災訓練で実施した。今回、インドネシア技術評価応用庁のスタッフは同社のパッケージソリューションを活用し、地震後の対応を繰り返し訓練した。
訓練の流れは、「地震発生後、担当する避難所に急行し、260MHz帯の携帯無線機とタフパッド(専用アプリケーション内蔵)を活用して、指令センターと現場写真を共有し、音声通信で連絡する「屋外インフラ用創蓄連携システムを備える監視カメラを設置した避難所では、4.9GHz帯のマルチアクセスコンセントレータを通じ、高画質映像で、津波などの危険を直ちに知らせる」「指令センターでは、各地から送られた情報とセキュリティカメラがとらえた映像をアプリ上にマッピングして被災地を特定し、スタッフが即時対応する」というもの。
今回の実証実験を通じ、同社はインドネシアのような自然災害の発生しやすい国々で、大型な防災無線システムの設置ノウハウを得ることと同時に、地域社会に貢献できるようなソリューションを提供していく。