東レ・ダウコーニングは5月12日、4インチのSiCウェハ製品のプライム・グレードを新たに3つのグレードに分けたと発表した。
これは、マイクロパイプ転位(MPD)や貫通らせん転位(TSD)、基底面転位(BPD)のような、デバイスの致命的なキラー欠陥に対する新たな規格を明確化したもので、これにより、次世代パワーエレクトロニクス・デバイスの性能およびコストの最適化を目指すとしている。
今回の3グレード化により、ユーザーは用途に応じて、ウェハの品質とコストのバランスを取ることが可能になる。1つ目のグレードである「プライム・スタンダード 」は、0.5cm-2もしくはそれ以下のMPDを保証したもので、定格電流が低めのショット キー・ダイオードや接合障壁ショットキー・ダイオードのような、比較的単純なSiCパワーエレクトロニクス・コンポーネントを設計する際に適しているという。
2つ目のグレードである「プライム・セレクト」は、MPD(≤0.2cm-2)、BPD(≤800cm-2)とより規格を厳密にしているため、ピンダイオードやスイッチのような、要件が厳しいSiCデバイスに適しているという。
そして3つ目となる「プライム・ウルトラ」は、最も高い結晶品質が求められるハイパワー・デバイスの設計を可能にするもので、MPD(≤0.1cm-2)、BPD(≤500cm-2)、TSD(≤300cm-2)といずれも低く、ウェハの抵抗分布も密になっているため、先進的なSiCパワーエレクトロニクス・デバイスの設計を可能にするという。