5月15日(木)、16日(金)の2日間、東京都千代田区の東京国際フォーラムにて、富士通が開発/提供するICTソリューションをまとめて展示/解説する技術イベント「富士通フォーラム2014 東京」が開催される。
富士通フォーラム2014は、社会インフラの変革からビッグデータ活用、ものづくり革新まで、さまざまな分野において日本の今後を担う最新ソリューションが披露される一大イベントとなっている。本稿では、その見所を簡単に紹介しよう。
今年のテーマはHuman Centric Innovation
5月中旬の恒例イベントとなっている富士通フォーラムは、毎年1万人超の技術者/経営者を集める、富士通最大の技術カンファレンスである。
今年のテーマは「Human Centric Innovation」。昨年、一昨年と2年続けて「Reshaping ICT, Reshaping Business (and Society)」を掲げてきたが、今回はそれを一新。イベント特設サイトには、「進化するICTの力で『人』を支援することでイノベーションの創出を加速し、お客様のビジネスや様々な社会課題の解決に貢献していく」との説明があり、イノベーションの主体に人を置き、その活動を支援するICTという視点で各種の新技術が披露される予定になっている。
オープニングを飾るのは、同社 代表取締役社長の山本正巳氏による基調講演である。「ビジネス革新と豊かな社会の実現に向けた挑戦 ‐Human Centric Innovation‐」という題目が掲げられた氏の講演では、経済環境がグローバル化する中で生じているさまざまな課題や環境問題などを取り上げながら、イノベーションに向けた新たなICTのかたちが解説される。
基調講演
日時 | タイトル | 登壇者 |
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5/16 10:00~10:40 |
ビジネス革新と豊かな社会の実現に向けた挑戦 / 新たな産業革命と富士通のバリューチェーン | 富士通 代表取締役社長 山本正已氏 執行役員常務 松本端午氏 |
富士通フォーラムではその他にも、11の特別講演を含む89の講演(基調講演と合わせて90講演)が用意されている。O2OマーケティングやIoTといった話題の技術分野から、「仮想統合/事業継続に向けたストレージ活用の最適化」といったインフラ運用ノウハウまで、さまざまなトピックスが解説される。有識者も多数登壇予定なので、特設サイトをチェックしておくとよいだろう。
以下、特別講演だけ挙げておこう。
特別講演
日時 | 講演タイトル | 講演者 |
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5/15 13:00~14:00 | 民間企業におけるマイナンバーの円滑な導入・利用に向けて | 内閣官房内閣審議官(社会保障改革担当室)、 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室副室長(副政府CIO)、 内閣府番号制度担当室長 向井治紀氏 |
5/15 13:00~14:00 | マイクロソフトと富士通がひらくクラウド&モバイル新時代 | 日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏(ビデオによる特別出演)、 日本マイクロソフト エバンジェリスト 西脇資哲氏、 富士通 執行役員常務 松本端午氏 |
5/15 14:50~15:50 | 持続可能なかわさきのまちづくり ICTを活用した都市づくりを世界へ |
川崎市 市長 福田紀彦氏、 富士通 取締役執行役員専務 浦川親章氏 |
5/15 14:50~15:50 | 人財の力を引き出すワークスタイル革新 | シスコシステムズ 代表執行役員社長 平井康文氏、 富士通 執行役員 香川進吾氏 |
5/15 16:30~18:00 | 産学連携による日本発MOOCが拓く学びの新展開 MOOCがもたらす、企業・社会にとっての可能性とは |
明治大学 特任教授 兼 日本オープンオンライン教育推進協議会 事務局長 福原美三氏、 北海道大学 情報基盤センター メディア教育研究部門 准教授 重田勝介氏、 京都大学 情報環境機構 教授 土佐尚子氏、 富士通 特命顧問 伊東千秋氏 |
5/16 9:30~10:30 | スマートデバイスとウェアラブル端末が創るワークスタイル変革 プロダクト&サービス連携によるイノベーションの実現 |
日経BP 執行役員 デジタル担当補佐 藤田憲治氏、 富士通 執行役員常務 齋藤邦彰氏 |
5/16 9:30~10:20 | ICTを大きく変える、「超スケール化」を可能にする技術 | 富士通研究所 取締役 久門耕一氏 |
5/16 11:10~12:10 | スピードで攻めの経営とイノベーションに貢献 SAPと富士通が提供するシンプルで超高速なICT活用 |
SAPジャパン 代表取締役社長 安斎富太郎氏、 富士通 執行役員 今田和雄氏 |
5/16 13:00~14:10 | ICTで切り拓く異業種間競争時代のイノベーション データの融合による新たな価値創造 |
東京大学 先端科学技術研究センター 教授 工学博士 森川博之氏、 富士通 執行役員常務 CTO&CIO 川妻庸男氏 |
5/16 13:00~14:00 | オラクルのグローバル・クラウド戦略 | 日本オラクル 代表執行役 社長 兼 CEO 杉原博茂氏、 富士通 執行役員 野田敬人氏 |
5/16 14:50~15:40 | イノベーションを実現する新たなインテグレーション お客様ビジネスに貢献するパートナーを目指して |
富士通 取締役執行役員専務 谷口典彦氏 |
3つのテーマでイノベーション技術を展示
講演を聞くだけでなく、ソリューションを実体験できる展示ブースも設けられる点が富士通フォーラムの大きな特徴の1つである。
毎年、IT業界のトレンドを反映したかたちで展示エリアが区分けされているが、今年用意されたのは「ソーシャルイノベーション」「ビジネスイノベーション」「イノベーションを支えるICT」の3つ。こちらもイノベーションを中心においた構成になっている。
それぞれのエリアで設けられているテーマは以下のとおり。
エリア | テーマ |
---|---|
ソーシャルイノベーション | 交通・車 |
エネルギー | |
食・農業 | |
ライフ&コミュニティ | |
次世代医療 | |
次世代教育 | |
持続可能な社会 | |
ビジネスイノベーション | ビッグデータ活用 |
マーケティング・イノベーション | |
ものづくり革新 | |
ワークスタイル変革 | |
イノベーションを支えるICT | ICTの最適化 |
SDN | |
クラウドサービス | |
セキュリティと事業継続 | |
最先端テクノロジー |
注目したいのは、やはりソーシャルイノベーションだ。"社会"という広い視点から、生活を豊かにするさまざまな次世代ICTが展示される予定である。
また、「イノベーションを支えるICT」においては、仮想化環境における新たな問題として議論されることの多い、ネットワークやストレージ面でのソリューションなども紹介される。インフラ管理者などは、チェックしておくとよいだろう。
新設された「One on Oneミーティング」
そのほか、富士通フォーラム2014では、今年からの新たな取り組みとして、「One on Oneミーティング」と呼ばれる相談スペースも設けられる。
One on Oneミーティングには、パートナーソリューションと合わせて56のテーマがあらかじめ用意されている。ブースに展示された事例やデモを参考に、自社に適用する場合の導入形態や課題などを担当者と直接話し合うことが可能だ。
こちらは事前予約が推奨されているので、富士通フォーラム2014の特設サイトから申し込んでほしい。
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2013年度の決算で営業利益1425億6700万円と、前年度比61.5%増の大幅な業績改善を果たした富士通。今回のイベントは、その業績改善を支えた幾多のICTソリューションをまとめて学べる貴重な機会である。無料で参加できるので、都合のつく方は来場を検討するとよいだろう。