シンガポール航空は5月9日、3億2500万米ドルを投入し、同社が保有するボーイング777-300ER 全19機に次世代機内装備を導入することを発表した。対象はファースト・ビジネス・エコノミーのすべてのクラスで、最新仕様の座席と最先端技術を用いた機内エンターテイメントシステムが全席に搭載される。導入作業は、2015年初旬に開始され、2016年9月までに完了する見込み。

同社は2013年9月、当時追加発注した8機に今回と同様の次世代機内装備を導入することを発表。搭載機はすでに、ロンドンと東京・成田間の一部の便で使用されている。

次世代機内装備は、ファーストクラス用はBMWグループ子会社のデザインワークスUSA、ビジネスクラス用はジェームス・パーク・アソシエーツによって開発された。

ファーストクラスシートは、背もたれが後ろに倒れないシェル型で、流線形のサイドパネルを採用している。座席には、人間工学に基づいた形状のクッションと、調節可能なヘッドレストを使用。座席幅は35インチ、ベッドの長さは82インチに伸長されている。

ファーストクラス座席イメージ

ビジネスクラス座席イメージ

ビジネスクラスシートは、132度までのリクライニングが可能で、ファーストと同様に人間工学に基づいたクッションを採用している。シーティングポジションは「Lazy Z」「Sundeck」の2種類を用意。就寝時は、長さ78インチ(198センチ)のフルフラットベッドになる。サイドキャビネットには、アメニティ用の収納スペースやラップトップの収納スペースが新たに設置された。

機内エンターテインメントシステムでは、従来から導入されていたPanasonic Avionics開発の「クリスワールド」を刷新。ファーストクラスでは24インチ、ビジネスクラスでは18インチのLCDスクリーンが採用され、タッチスクリーンタイプのハンドセットが備えられている。