国内の大学職員が3Dプリンタで製造した拳銃を所持していたことで逮捕された事件は、3Dプリンタの利用を示すニュースとして世界的に報じられている。先月は、中国で3Dプリンタを使って住宅10軒を24時間で製造したニュースが話題になった。
いよいよ3Dプリンタの時代が本格化してきたと言えるが、そもそも3Dプリンタとは何なのか? Mashableが「3D Printing: Everything You Need to Know in 2 Minutes(2分でわかる3Dプリンタ)」という動画を投稿しているので、紹介しよう。
まずは、3Dプリンタとは何物か。これまでのプリンタが2次元(平面)だったのに対し、文字通り立体、つまり3次元のプリントが可能な機械を指す。
では、どうやって立体を作成できるのだろうか? その仕組みの中核を成すのは「積層造形(Additive Manufacturing)」だ。最初に作りたいモノのブループリントを作成する。モデリングソフトウェアを使って作成するのが一般的だが、最近では作成したモデリングを入手できるThingiverseやShapewaysといったWebサイトも登場しており、技術を使いこなせない人にもグッと身近になったようだ。
ブループリントを作成したら、3Dプリンタにデータを送る。すると、接続されたチューブから素材を取り出し、プレート上でその素材をレイヤ方式で積層しながら形を作る。素材を積み重ねていくので、裁断や打ち抜きなどの作業は発生しない。
こうして、おもちゃやツールなどを作ることができる。素材としてよく利用されるのはプラスチックと言われているが、最近ではスイーツや薬の生成にも利用されているという。医師が患者の細胞から耳や鼻など人間の体のパーツを作ることもあり、移植目的での内臓を作成した例もある。
家庭やオフィスに入りつつある3Dプリンタ、最大のメリットはコストと時間だ。中国の例では24時間で10軒の家を作り、しかもコストは5,000ドル以下と聞くと、納得だろう。だが耐久性の問題もあるし、倫理的な問題も提起されることになりそうだ。