IDC Japanは5月1日、国内クライアント仮想化市場の動向について、2014年3月に実施したユーザー調査を分析した結果を発表した。
クライアント仮想化導入率は全社導入が5.4%、部分導入が10.7%、試験導入が3.4%、導入予定が3.7%となった。2013年と比較すると全社導入、部分導入、試験導入、導入予定を合算した導入率は1.9ポイント低くなった。
ただし、「全社導入」の割合は4.4%(2013年)から5.4%(2014年)と1ポイント高くなっており、1社当たりの全従業員に対する利用割合も30.9%(2013年)から36.4%(2014年)へと5.5ポイント増加している。これは追加導入などを含む1社あたりの導入割合が高まっている状況を示しているという。
モバイル仮想化製品は「全社導入」が5.0%、「部分導入」が12.1%、「試験導入」が4.6%、「導入予定」が4.6%で、導入済み/導入予定の割合は26.2%だった。2013年は25.7%だったので、導入割合は0.5ポイント増加したことになる。
モバイル仮想化製品市場は、BYOD(Bring Your Own Device)の増加によって拡大しているという。
BYODとシャドーITを合算した導入率はスマートフォンが42.3%、タブレットが30.5%、モバイルPCが29.8%、携帯電話が49.3%。2013年と比較すると、全てのデバイスでBYOD/シャドーITの導入率は増加している。
特に、携帯電話とスマートフォンのBYOD/シャドーITが進んでいて、「個人所有端末の業務利用は認めない」とする割合は、全デバイスで2013年よりも2014年のほうが低くなっており、BYODに対する意識が高まってきていると考えられる。
PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「クライアント仮想化市場は成熟期に入り、BYOD、モバイル仮想化、パブリッククラウドDaaSなどの潮流が同市場の底上げに寄与する。この市場機会においてエンドユーザーコンピューティングへの取り組み方を再検討する時期が到来している」と指摘している。