アビームコンサルティングは4月30日、仙台市と共同でアセットマネジメントシステムの国際規格ISO55001に準拠した内部監査プログラムを開発し、同市の下水道事業の管路部門によるISO55001認証取得をサポートしたと発表した。

仙台市の下水道事業では、施設の老朽化に伴う維持管理や更新事業の増大と多額の費用の発生が見込まれるなかで、下水道使用料などの経営資源の減少が予想されている。そこで仙台市は平成20年からアセットマネジメントを導入し、それを実行するためのマネジメントシステム(方針、目標、リスクや投資判断などの基準、業務プロセス等からなる事業運営の仕組み)の整備を進め、平成25年度より本格的な運用を開始した。

そして、国土交通省の「下水道分野におけるISO55001適用ガイドライン検討委員会」の取組みとして実施された認証審査を受け、平成26年3月にISO55001の認証を取得した。

なお、同認証検査は、国土交通省が「下水道分野におけるISO55001適用ガイドライン検討委員会」の取組みとして実施したISO55001の認証審査で、平成25年度は被認証団体として仙台市と水ingが参加。認証審査に係る業務は日本水工設計、日本環境認証機構、三菱総合研究所、アビームコンサルティングが共同で受託した。

ISO認証の取得は規格の解釈から要求事項の整理、マニュアル作成や記録の整理など、取り組むべき内容が複雑かつ多岐にわたり、また、アセットマネジメントは関わるステークホルダーと各業務で取り扱う情報量が多く、自治体や企業が自力で認証を取得するには一定の労力と時間を要する。

これまでアセットマネジメントのコンサルティングを多く経験し、ISO55001の規格制定にも関わった同社のコンサルタントが、仙台市の認証取得に係る実務負担の軽減とアセットマネジメントの向上を支援した。

今回は新たにISO55001が発行されるタイミングでもあったため、仙台市とアビームコンサルティングは、"ISO55001の要求事項に現状どれだけ合致しているか"を評価する「成熟度診断ツール」、マネジメントシステムを更に向上させるための「内部監査プログラム」などを共同で開発した。