富士通は4月30日、同社の2013年度通期の連結決算を発表した。それによると、売上高は前年度比8.7%増となる4兆7,624億4,500万円、営業損益は同61.5%増となる1,425億6,700万円、経常利益は同42.9%増の1,406億7,000万円、純利益は前年度の799億1,900万円の赤字から、486億円1,000万円の黒字となった。

富士通の2013年度通期決算の概要

携帯電話の事業環境変化によりユビキタスソリューションが計画比で291億円悪化したが、テクノロジーソリューションが国内ICT投資回復などにより計画比191億円上回り増益となったほか、デバイスソリューションは円安効果などで改善し、全社費用の効率化も進めた結果、連結全体では営業利益の年初計画を達成したという。

テクノロジーソリューションの売上高は3兆2,430億円と、前年度比10.2%の増収になり、国内は6.1%の増収。システムインテグレーションは、顧客の投資拡大により公共、金融向けを中心に増収となり、ネットワークプロダクトは、通信トラフィックの増加に伴う3G通信機器の需要は一巡したものの、LTEサービスエリアの拡大および高速化に向けた通信キャリアの投資により、全体としては増収になったという。サーバ関連は公共向けの大型システム商談が寄与し増収となり、インフラサービスはアウトソーシングが堅調に推移したという。

ユビキタスソリューションの売上高は1兆1,254億円と、前年度比3.2%の増収だったが、国内は3.5%の減収。パソコンは法人向けがOSのサポート終了に伴う買い替え需要により大幅な増収になり、個人向けは市場の縮小による販売台数の減少はあったものの、円安影響の一部を販売価格に転嫁したことによる販売価格の上昇、および消費税率引き上げに伴う第4四半期での駆け込み需要により前年並みとなったという。

携帯電話は通信キャリアの販売方針見直し影響により上半期に大幅な減収となっていたが、下半期は通信キャリアの推奨機種に選定されたことなどにより前年並みまで回復。モバイルウェアのオーディオ・ナビゲーション機器は、エコカー補助金制度終了後低迷していた新車販売台数の回復および消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の影響により増収になったという。

デバイスソリューションの売上高は6,002億円と、前年度比11.1%の増収になり、国内は1.3%の減収。LSIはスマートフォン向けは売上増となったが、デジタルAVや情報機器向けを中心に減収となったという。また、電子部品は半導体パッケージや電池が減収となったが、通信機器向け光送受信モジュールが伸長し、全体としてはほぼ前年並みだったという。

なお、同社は2014年度の業績見通しについて、売上高は前年度から約375億円増の4兆8,000億円、営業利益は同377億円増の1,850億円、当期利益は同117億円増の1,250億円を見込んでいる。