ソニーは4月30日、スパッタ法を用い、独自に平滑な界面の軟磁性膜を開発したことで、結晶配向の乱れや大きさのばらつきを抑えた微細な磁性粒子を有するナノ・グレイン磁性膜を実現したことを発表した。

スパッタ法とは、薄膜形成法の一つで、放電現象によりアルゴン(Ar)イオンを薄膜にしたい物質(ターゲット)に衝突させ、その衝撃ではじき飛ばされたターゲット成分を基板上に付着させて薄膜を形成する技術。

これにより、テープストレージメディアとして世界最高の面記録密度148Gb/in2(ギガビット/平方インチ)を実現した磁気テープ技術の開発に成功したという。この面記録密度は、現在主流である塗布型の磁気テープストレージメディアの約74倍で、データカートリッジ 1巻あたり185TB(テラバイト)以上の大容量データ記録を可能とする次世代技術となる。

ソニーは、本技術を採用した大容量データ記録が可能な次世代テープストレージメディアの商品化を目指すとともに、さらなる高記録密度化に向けて、引き続きスパッタ法による薄膜形成技術の開発を進めていくとしている。