三洋化成工業は4月24日、シーラント・塗膜防水材に適するウレタン原料『プライムポールFFシリーズ』を開発たことを発表した。塗膜防水材などの養生時間を大幅に短縮でき、かつ環境に優しい施工ができるようになる。

シーラント・塗膜防水材は、構造体の隙間を通じて水分が内部に浸入することを防ぐ目的で施工され、耐水性、耐候性、基材への密着性、外観の良さが求めらる。ウレタン樹脂は、その伸縮性や弾性、基材への密着性などの特徴を生かして、この分野で広く使用されているという。

しかし、通常のウレタン原料であるポリプロピレングリコール(PPG)は、養生(硬化)に時間がかかること、更には発泡を伴う副反応が起こってしまい、施工面にフクレが生じて表面の平滑性、外観を損ねるという課題があった。

三洋化成工業は、PPG製造プロセスを抜本的に見直し、かつ特殊触媒を用いることで、末端にエチレンオキサイド(EO)を付加することなくPPGの反応性を高める技術を開発し『プライムポールシリーズ』として、用途展開を図っている。そして今回、シーラント・塗膜防水材用途に最適化した製品としてプライムポールFFシリーズを開発した。

現在、三洋化成工業ではプライムポールFFシリーズをパイロット設備で生産、販売している。今後はシーラント・塗膜防水材用途に限らず、幅広い分野へ拡販していく予定だ。