Cypress Semiconductorは4月29日(米国時間)、「PSoC 4」アーキテクチャを拡充させ、エントリレベル製品「PSoC 4000」ファミリを発表した。

同製品は、32ビットARMベースのSoCで、従来の8/16ビットマイコンからの容易で簡潔なアップグレードを実現する。「PSoC」の柔軟性に、静電容量センシングテクノロジCapSenseを組み合わせ、コスト重視な量産アプリケーションに最適となっている。そして、スケーラブルなアーキテクチャを備えており、より大規模な「PSoC 4」ファミリへ円滑に移行できる。

また、プログラマブルなデジタル周辺回路とアナログ周辺回路を統合しており、タイマやカウンタ、パルス幅変調(PWM)、I2C、コンパレータなどの機能を提供し、民生および産業用途に幅広く対応できる。さらに、無償でダウンロード可能な統合設計環境(IDE)「PSoC Creator」を使用することで、ハードウェアとファームウェアの協調設計を可能にし、設計の簡素化と市場投入期間の短縮が図れる。

そして、ボタン、スライダ、近接センサなどの実装に使用できる16個のCapSense I/Oを備えており、タッチユーザーインタフェースに対応している。CapSenseは、CapSenseシグマデルタ(CSD)センシング手法を採用し、雑音が多い環境でも堅牢なセンシングを実現。S/N比は100:1を超え、伝導雑音および放射雑音に優れた耐性を確保している。さらに、1.71V~5.5Vの電源電圧で動作し、電圧レギュレータなしのバッテリ駆動のアプリケーションにも幅広く対応する。コイン電池1つで駆動するようなアプリケーションにも使用できる。

なお、パッケージは8ピンSOIC、16ピンQFN、16ピンSOIC、24ピンQFN。価格は1000個購入時で0.29ドルから。現在サンプルを出荷中で、量産品は5月中の出荷開始を予定している。

Cypressの「PSoC 4」のエントリレベル製品「PSoC 4000」ファミリ