Imagination Technologies(IMG)は4月28日、WebRTC上で構築できる個別アプリケーションまたはブラウザベースのボイス/ビデオ会議サービス向けにWebRTCメディアエンジン「HelloSoft」を発表した。
オープンWebRTCは、Google、Mozilla、Operaなどのサポートによって主導され、ビデオチャット、ファイル共有、画面共有、その他の双方向コミュニケーションなど、豊富な機能を備えたWebベースのRTC(Real-Time Communications)マルチメディアアプリケーションの開発を可能にするもの。一方で、WebRTCアプリケーションをモバイル機器に導入するには、電力消費、無線環境でのパケット損失、限られた帯域幅、エコー除去、リソースやメモリ制約など、考慮すべき多くの課題がある。
これらを解決するため、「HelloSoft」では、パフォーマンス、機能、そして総合的な品質の向上に寄与する様々な特徴を有している。具体的には、アコースティックエコー除去(AEC)や、ノイズ除去(NC)などの前段処理モジュールによって、あらゆるプラットフォームでのスピーカーフォンの音声品質を向上させている。また、独自のDVQM(Dynamic Video Quality Management)、EVQM(Enhanced Voice Quality Management)アルゴリズムは、最大30%のパケット損失の無線環境下でも、高いボイス/ビデオ品質を実現できる。さらに、MIPS CPUアーキテクチャを含む主要なプロセッサアーキテクチャに最適化されており、Android、iOS、Windows、LinuxベースOSに対応する。そして、OPUS、G.722、G.722.1、AMR-WB、AMR-NB、G.729ab、G.723.1、G.711、Speex、EVRC、iLBCなどの幅広い音声コーデックに加え、VP8やH.264などのビデオコーデックもサポートする。この他、同社のPowerVRビデオコーデックのような、デバイス搭載のハードウェアビデオアクセラレータの活用が可能となっている。
なお、同社のWebRTCメディアエンジンは、通話管理ソフトウェアとSIPスタックを組み合わせ、即時動作するクライアントとしても利用できる。