国立精神・神経医療研究センター(NCNP、国循)は4月25日、ADHD児童を対象にしたニューロフィードバック(NF)訓練効果を客観的に検証することに成功したと発表した。
同成果はNCNP精神保健研究所の稲垣真澄 知的障害研究部長、高橋純一 研究員、安村明 研究員らによるもの。詳細は「NeuroReport」に掲載される予定。
NF訓練は、対象の脳波をリアルタイムでモニタリングしながら、注意に関する脳活動のセルフコントロールを促進させる訓練法の1つで、欧米ではいくつかの研究チームで実用成功例が報告されているが、国内での学術的な成功事例は報告されていなかった。
今回研究チームでは、NCNP病院小児神経科研究チームと共同で、同病院に外来来院中のADHD児童10名(訓練開始時平均年齢:12歳6カ月)を対象に、2013年7月より約3カ月間、1セッションあたり10分程度の訓練を週2セッション実施。効果の検証のために、訓練前後の児童の注意課題を実施している際の脳はの測定を行い比較を行ったところ、実用可能であることが確認されたとする。
なお、研究チームでは今後、より緻密な研究デザインの設定と研究実施を行っていくことで、日本におけるNF訓練の客観的評価を進めていき、将来的な医療的応用の可能性を検討していきたいとしている。