キーバリューは4月25日、感圧センサーとiBeaconモジュールを内蔵した「スマート座布団」を開発したことを発表した。ざぶとん型のスマートデバイスで、ざぶとんを置いた椅子の上に人が座ると重みでセンサーがオンになり、iBeaconの電波信号をスマートフォンやタブレットに送る仕組みとなっている。販売価格は未定だが、ざぶとん1枚で1200円から2000円程度を想定しているという。
iBeaconは、低消費電力の近距離無線技術であるBluetooth LowEnergy(BLE)によるApple社の通信仕様。数cmから数十m程度の距離にあるiOSデバイスにデータを配信でき、プッシュ型情報提供サービスやO2Oビジネスなどマーケティング分野で注目されている。
感圧センサーとiBeaconを利用した「スマート座布団」は、例えば、飲食店の座席に置いて人がいる席といない席を判別し、それらの情報をもとに、店舗の混雑状況を店舗入り口に置いた端末などで伝えることを可能とする。また、データを蓄積することで曜日や時間ごとの来客頻度や顧客の平均滞在時間、回転率などの分析も行うことができる。
店舗に導入する際のコストも低価格に抑えられ、また、得られるデータは「椅子に座っているか・いないか」のみのため個人情報の扱いを気にする必要もない。
また、同社では個人向けにも活用方法を紹介している。オフィスや自宅のデスク、居間などにそれぞれ「スマート座布団」を置き、自分がどの時間にどの席に座っていたかをアプリで管理するというもの。それぞれの座布団に座った時間で仕事時間や勉強時間、食事時間をチェックして生活サイクルの把握や生活習慣改善に役立つとしている(ただし、座布団という形状のため、トイレへの設置は困難)。
この仕組を少し発展させると、高齢者の見守りサービスといった活用も可能だろう。「座っているか・いないかを判断する」という意外と単純に見えるが、自動でリアルタイムに把握できることが製品の特徴となっている。
なお、「スマート座布団」は通常のざぶとんと見分けがつくように、青いランプが光るようになってるという。現在の開発版はiOS7以降のみの対応だが、同社では今後、Android版対応も検討していくという。