National Instruments(NI)の日本法人である日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は4月23日、高性能なマルチチャネル無線通信システムを短期間で試作できる、ソフトウェア無線ソリューション「NI USRP RIO」を発表した。
現在販売中の「NI USRP(Universal Software Radio Peripheral)」は、市販のPCと組み合わせてソフトウェア無線機を構成するためのハードウェアである。今回発表された「NI USRP RIO」は、「NI USRP」にプログラム可能なFPGAを搭載し、リアルタイム処理の実装を可能としたもの。NI LabVIEW RIOアーキテクチャをベースに、ハードウェア部は、50MHz~6GHzの信号を送受信できる高性能な2×2 MIMO(multiple input, multiple output) RFトランシーバとFPGAを備えており、システム開発ソフトウェア「NI LabVIEW」でプログラムできる。
「NI USRP RIO」を使用することにより、これまで数式や計算機シミュレーションにとどまっていた無線通信の物理層およびMAC(Medium Access Control)層の研究を、実世界の信号を用いたものに手軽に拡張できるようになり、リアルタイム無線通信システムの試作機を短期間で開発できるようになる。また、ハードウェアとソフトウェアを統合したプラットフォームであるため、同社が提唱する「グラフィカルシステム開発」手法のメリットが活用でき、従来よりも充実した機能を備えた無線アルゴリズムおよびシステムの試作にかかる時間を短く抑え、テストにかかる時間も短縮できるようになるとしている。