富士通は4月22日、オムロンの草津工場でプリント基板表面実装ラインの品質向上および生産性改善のために、ビッグデータ分析の実証実験を開始したと発表した。

実証実験では、設備や機械の動きを制御する装置であるオムロンのSysmacマシンオートメーションコントローラ NJシリーズとマイクロソフトの「Microsoft SQL Server」を用いてプリント基板ラインのログを収集し、個体別に生産実績の可視化を行い、製造ラインの改善を検証する。

実証実験の概要

富士通は、ログ収集の仕組みを構築するとともに、生産状況をリアルタイムに把握するためのデータ分析を行う。

富士通は実証実験に先駆け、プリント基板の製品情報と製造ラインの行程ごとの実績データを個体別で紐付けるプロトタイプシステムを開発し、さらに紐付けたデータを加工して、個体別かつ工程別の生産実績が一目で把握できる可視化レポートを抽出する機能を提供する。

可視化された結果のイメージ

プロトタイプシステムの導入効果として、一目で製造ラインの動きが把握できるため、改善ポイントの把握が容易になり、改善ポイントを把握する時間を6分の1に削減できたという。

今回の実証実験では、さらにプリント基板の品種やロット生産単位、勤務シフト別、経過時間などの様々な切り口でリアルタイムに分析できるインメモリ・データベースを構築するとともに、稼働率や生産リードタイムの結果を、Microsoft ExcelやWebなどで容易に把握し、分析できるようにする。