計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは4月22日、テストシステムに不可欠なハードウェア、ソフトウェア、技術知識などを包括的に提供するリファレンスソリューションを発表した。
リファレンスソリューションとは、特定のアプリケーションに最適化されたプログラムソースコードなどをパッケージ化したものである。これにより、テストシステムの能力を最大限に引き出すことができ、特定のアプリケーション向けのテストソリューション評価を迅速に行うことが可能になる他、新たなテストシステムを既存の環境に統合するのにかかる時間も大幅に短縮できる。
そのリファレンスソリューションの第1弾となるのが、エンベロープトラッキング(ET)方式を採用したパワーアンプ向けの製造試験用ソリューションである。同ソリューションには、評価用グラフィカルユーザーインタフェースソフトウェア、測定スピード、変調解析スピード、確度、再現性の最適化に向けたサンプルソースコードなどが含まれている。
RFパワーアンプ製造試験用リファレンスソリューションは、モジュール型計測器「M9391A PXIe VSA」と「M9381A PXIe VSG」を中心にしたハードウェア構成となっている。また、卓上型の信号発生器やシグナルアナライザ用のものと相関が取れた測定ソフトウェアも提供される。同ソリューションを活用すると、優れた測定スループット、コスト削減、パワーアンプ測定環境の迅速な立ち上げなどのメリットが得られる。さらに、「M9381A」と同期が取れる波形発生器「33522B」も含まれており、電力消費の改善のためにET方式を採用したデバイスに対応している。
「M9391A VSA」および「M9381A VSG」は、ベースバンドスイッチング技術により、周波数および振幅調整を高速化し、サーボループテスト時間を大幅に短縮している。卓上型計測器で定評のある測定アプリケーション「X」シリーズと同一のユーザーインタフェースおよび同一の測定アルゴリズムにより、設計から製造までの製品開発サイクル全体において、信頼性の高い測定結果を得ることが可能。また、既存のテストコードの再利用が容易なため、テスト開発時間の削減につながる。これにより、テストハードウェア間の移行も容易となっている。同リファレンスソリューションでは、ロープロファイルモジュール型パワーシステムメインフレーム「N6700B」、およびパワー校正用パワーセンサ「U2004A」を制御することができる。
「M9391A VSA/M9381A VSG」は最大6GHzの周波数、160MHzの帯域幅に対応している。必要な機能や性能が変わった場合には、ライセンスキーによりアップグレードすることができる。