Texas Instruments(TI)は4月21日、柔軟なフレームワーク、ハードウェアデバイスドライバ群の包括的な組み合わせ、および使いやすい開発ツール群を提供するビジョンソフトウェア開発キット(ビジョンSDK)を発表した。
同製品は、TIのヘテロジニアスマルチコアプロセッサ上にADAS(先進運転支援システム)実装の効率を向上させ、さらに、実績のあるTIのSYS/BIOS RTOSをベースに、数多くのヘテロジニアスコア上で複数のアルゴリズムをコンカレントに実行できる他、システムへの新機能の統合を簡単にする。さらに、包括的なデバッグと計測の各機能は、アルゴリズム開発において、システムコンテキスト内での各アルゴリズムのベンチマークテストやプロファイリングを実現する。
また、SoC「TDA2x」上で、EVE(Embedded Vision Engine)とDSP向けのライブラリ群を構築。これらのライブラリ群は、EVEとDSP向けに、200種類を超える最適化された機能を備え、迅速な開発や、市場投入期間の短縮に役立つ、複数のビルディングブロックを提供する。また、低レベル、中レベルや高レベルのビジョンプロセシングに利用できる。
さらに、Vision AccelerationPacを組み込んでおり、低消費電力の動作範囲内に、高性能、ビジョンアナリティクス、ビデオ、グラフィクスと汎用プロセシングコア群の最適な組み合わせを収め、エントリから高性能までのスケーリングが可能な、幅広いADASアプリケーションを実現する。また、同一の消費電力バジェット、より高いコスト効率の実装面積で、先進のビジョンアナリティクス向けに8倍を超える処理性能を提供する。この他、独自のアルゴリズムで、ADAS市場の動的なニーズに適合するよう設計されており、1個以上のEVEを内蔵し、市場に適合するADASアクセラレータの構築を提供する。
現在、「TDA2x」のISO 26262機能安全標準規格の関連要件は開発中。セーフティドキュメンテーションのサポートも、デバイスのPPAP(製造部品承認プロセス)やリリースと同時に供給される。