東京都・東雲のユカ・ツルノギャラリーでは、ドイツの現代写真を代表するアーティスト、カンディダ・ヘーファーの日本では初となる個展を開催している。開催期間は5月10日まで(日月は休廊)、開場時間は11:00~19:00。入場無料。
Candida Hofer Archivo General de Indias Sevilla IV 2010 |
Candida Hofer Benrather Schloss Dusseldorf IV 2011 |
同展では、カンディダ・ヘーファーの代表的なモチーフである図書館、劇場、宮殿の写真など豪華な建築の室内空間を正面から撮影した大型作品7点を展示。ヘーファーが捉える人の存在しないイメージは、逆説的にその空間にいた人物を思い起こさせる。幅2メートルにもおよぶ大型の写真作品は、見る者に空間の形式、構造、細部、建築物の意図と現状の間に生じる矛盾や歴史的変化について考えさせる。
なお、カンディダ・ヘーファーは1944年生まれ、ケルン在住のドイツを代表する写真家。アンドレアス・グルスキー、トーマス・シュトゥルート、トーマス・ルフらとともに、ベッヒャー派のひとりとして世界的に知られている。1973年から82年まで、デュッセルドルフ美術アカデミーに在籍し、映画を学んだ後、べッヒャー夫妻に師事。図書館や宮殿など豪華な建築の室内空間を正面から撮影した作品で注目を浴び、2003年にはベネチア・ビエンナーレのドイツ館代表に選ばれている。