富士重工業(スバル)は4月18日、米国ニューヨークにて開催されている「ニューヨーク国際自動車ショー」において、新型「アウトバック」(米国仕様車)を公開した。
5代目となる今回のモデルでは、同社のフラッグシップクロスオーバーモデルとしての質感と高い機能性をデザインでも表現することを目指し、「"アウトバック"を極める」というデザインテーマで開発が行われたとのことで、基本となるプロポーションでは広く快適なキャビンを継続しつつ、ダイナミックで安心感を伴うボディ造形とサイズアップしたタイヤと張りのあるフェンダーパネルによりAWDで路面をグリップする足腰の強さを表現したという。また、ボディ下部を取り巻くプロテクションパネルはライフスタイルのフィールドを広げる機能性だけでなく、アクティブでラギッドな印象をアピールするほか、大型フロントフォグランプや機能的なルーフレール、圧倒的なロードクリアランスなどを備えることで、アウトバック特有のスタイリングをさらに進化させたという。さらに、テール&ストップランプの光源にLEDを採用し質感を高めるとともに、燃費の向上および夜間の視認性を向上させたとする。
シャシーおよびボディについて、高い走行性能を目指し、シャシー、ステアリング、サスペンション、ブレーキなどの点を見直すことで、豊かなロードクリアランスと操縦安定性を高い次元で両立したほか、乗り心地も1ランク上の上質な走りを実現したとする。具体的には、たとえばサスペンションは作動フリクションを低減し、スタビライザーの効率を向上させるよう基本レイアウトからの効率向上を追求、フロントストラット、リヤショックアブソーバーの最適化と合わせて、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立したとする。また、リヤサスペンションおよびその車体への取付部の剛性を高めるために、フレーム形状を一新させ、乗り心地の向上とフロア、シートの振動を低減させたほか、ステアリングはギヤ比を従来型の16.5:1から14.0:1に高め、ダイレクト感と俊敏性を向上させたという。
さらに、軽量・小型・高出力性能のコントロールユニット内蔵電動パワーステアリングを採用したほか、モーター出力の向上と細かなモーター制御を行うことで正確かつ自然な操舵感を実現。加えて、アクティブトルクベクタリングを採用することで、旋回性能、操舵応答性の向上も実現した。
このほか、外観の質感向上と合わせて、走行時の空気抵抗低減も実現した。中でも車両後方の空気の流れを改善することで、旧型比10.6%の改善を実現したとのことで、高速走行時の燃料消費低減が可能になったとする。
エンジンとしては、2.5L水平対向4気筒DOHC NA エンジンでは、インテークマニホールド、TGV(タンブルジェネレーションバルブ)を従来構造を踏襲しつつも、TGVのバルブ位置と吸気ポート形状をシンプルにすることで、高回転領域の体積効率と低回転領域の燃焼効率を両立させ、出力および燃費性能向上を実現したとする。一方の、3.6L水平対向6気筒DOHC NA エンジンでは、ドライバビリティ向上と燃費性能向上が図られたほか、さらなる環境対応に向けた新型マイコンを搭載した、軽量な次世代ECUも採用したとする。
安全機能としては、ステレオカメラを全面的に一新し、視野角、視認距離を約40%拡大することで、プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールといった予防安全・運転負荷軽減機能を進化させた新型アイサイトを採用したほか、コーナリング時に片側フォグランプを自動で点灯させ、夜間のコーナリング時の視認性を向上させることが可能な「SRF(Steering Responsive Fog Lights)」や後方視界がC、D ピラーに遮られて死角となってしまうエリアに存在する車両を検知して、LEDランプを点灯させることでドライバーに注意を促す「BSD(Blind Spot Detection:死角検知機能)」、隣車線において高速で接近中の車両が存在している状態で、ドライバーがウィンカー操作をした上で車線変更を試みた場合、ドアミラーに付いているLED ランプが点滅することで、ドライバーに対して警告を行う「LCA(Lane Change Assist:車線変更支援)」、後退時に左右から接近してくる車両を検知し、衝突の危険性があると判断した場合にドライバーに警報音を発する「RCTA(Rear Cross Traffic Alert:後退時支援)」などが取り入れられている。