ジャガー・ランドローバーは、「ディスカバリー・ビジョン・コンセプト(Discovery Vision Concept)」を「ニューヨーク国際オートショー」にて公開した。

同コンセプト・モデルは、ランドローバー・ディスカバリー・ファミリーの将来像を描いたもので、現在の単一モデルから、レジャーSUVカテゴリーの新たな基準となるモデル・ファミリーへと発展させる計画を示すもの。

デザインとしては、ステップド・ルーフやアルパイン・ライトといった、ディスカバリーを象徴する要素を取り入れており、ディスカバリーのDNAを受け継いでいることを示しているほか、インテリアも、乗員に利便性、エンターテインメント、そして快適性などを提供することを目的に、タッチスクリーンのメニュー画面を操作し、シートを倒してフラットにしたり、前方または後方にスライドさせることで、室内は標準の7人乗りレイアウトから、6人乗り、5人乗り、もしくは4人乗りのリムジン・モードにすることなどが可能となっている。また、取り外し・持ち運び可能なスーツケースがドアと一体化して組み込まれているほか、シートバックに収納されたアクセサリー類が、後部座席の乗員に高い利便性を提供する。

さらにテールゲートの多用途性も進化させており、電動式のシングル・ピース・デザインを採用。展開式のリア・シル・ステップと、荷物スペースの折り畳み式ベンチシートを広げることで、アクティブなライフスタイルに対応するソーシャル・ベンチ付きのフレキシブルなイベント・プラットフォームとして利用可能なほか、シル・ステップ自体には、自転車やスキーラックの取り付けも可能だ。

このほか、先進技術として、次世代のヒューマン=マシーン・インタフェース(HMI)テクノロジーとして、シートバックにあるインフォテインメント・スクリーンを介した乗員間のビデオコールをはじめ、ガラスで包まれたキャビン全体にAR(拡張現実技術)を採用したスマートガラス、ジェスチャーでドア、インジケーター、ヘッドランプ、シートバック・スクリーンなどの装備・機能の操作ができるジェスチャー・コントロールなどが搭載されているほか、ドライバーが運転席に座っていない状態でも、低速でのクルマ操作を可能にする「リモート・コントロール・ドライブ」も搭載している。

また、日中のように明るく照らし、あらゆる状況下でも視認性を向上させるレーザー・ヘッドランプや、インテリジェントなオブジェクト・トラッキング機能、ビーム・ディッピング機能も備え、ドライバーの安全性を向上している。

さらに、トランスパレント・ボンネットには、前方の地面の状況を手に取るように把握できるヘッドアップ・ディスプレイ・システムを採用。グリル下部にある複数のカメラが、フロントガラスに組み込まれたヘッドアップ・ディスプレイと連動し、困難な地表を走行中でも、地面の映像がフロントガラスに投影され、ボンネットが透明であるかのように感じることを可能とするほか、は、フロントのフォグランプから発せられる赤外線レーザーを用いて、走行中の地表を常時スキャンし、凹凸のある立体的なマップをインストルメント・クラスターの高解像度ディスプレイに映し出す「レーザー・テレイン・スキャン」と、マップのガイダンスシステム「オールテレイン・コーチ」と連動させることで進路を図に表示し、ドライバーをナビゲート。同レーザーは次世代ウェイドエイド・センサー・システムにも使われており、クルマが水に入る前に水深を測定し、ドライバーに渡河などのウェイディング走行が可能かどうかを知らせることもできるという。

なお、同コンセプトモデルの市販モデルは、「ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(Land Rover Discovery Sport)」という名称で、2015年に発売される予定だという。