一村産業は、熱可塑性樹脂を使用した「炭素繊維強化熱可塑性スタンパブルシート(CF-SS)」を開発し、サンプル供試を開始した。
CF-SSは、炭素繊維織物に各種熱可塑性樹脂を含浸させたプレス成形可能な板状のシートだ。一村産業独自の技術で含浸度合を高めることで高強度を達成し、熱可塑性のメリットを生かすことで、従来の熱硬化性複合材料では難しかった分単位の高速プレス成形が可能になった。
CF-SSを使用した自動車フード |
これまで、炭素繊維に熱可塑樹脂をしっかりと含浸させることは難度が高いものだったが、本商材ではその加工技術を確立し、サイズは国産では初となる1枚で最大1m角まで対応可能となる。この1m角サイズのシートにより、これまでのシートより大型部品の成形に対応でき、小型部品も効率よく成形することができるため、成形時間の短縮によるコストダウンを可能だ。
一村産業は、装置メーカー、成形メーカーと一体となって素材・成形法を同時に開発することにより、早期に実用化を目指し、今後、本製品を自動車部品、タブレット・携帯電話部品、ロボット・機械部品、スポーツ用品などの用途への展開を図っていくとした。