富士キメラ総研は、報告書「2014年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」の一部を公表した。同社は、エレクトロニクス製品向け部材の世界市場を調査し、その部材で使用される高分子材料などの素材の動向を分析している。

報告書では、半導体、実装、LCD、OLED、タッチパネル、LED、太陽電池、バッテリー関連向けの部材を対象に、市場トレンド、用途動向、企業動向などのマーケット情報に加え、使用される素材や技術動向について明らかにしている。また、部材向け素材、次世代注目素材の現状と今後の動向もまとめられている。

発表によると、2017年の世界市場予測では、PMMAなどを素材とする偏光板保護フィルムは2014年以降も採用が増加するとみられ、2017年には2013年比10.5倍の168億円と予測されている。

また、ITO以外を素材とする透明導電性フィルムは、同5.9倍の2127億円。特に金属メッシュフィルムは堅調な拡大を続けることで市場をけん引し、2017年にはITO以外を素材とする市場の9割を占めると予測している。

同社が挙げる注目素材の現状と動向は以下のとおり。

素材 2013年 2017年予測 2013年比
偏光板保護フィルム TAC 1,140億円 1,020億円 89.5%
PMMA、他 16億円 168億円 10.5倍
透明導電性フィルム ITO 1,073億円 1,340億円 124.9%
ITO以外 358億円 2,127億円 5.9倍
モスアイフィルム ナノインプリント用樹脂 25億円 65億円 2.6倍
グローブのカバー材料 48億円 136億円 2.8倍

詳細は、「2014年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」にまとめられている。価格は9万7000円(税別)。