テクトロニクス社は4月16日、デジタル/ミックスドシグナルオシロスコープ「MSO/DPO70000」シリーズの解析システム機能を強化し、IBIS-AMI(Input/Output Buffer Information Specification - Algorithmic Modeling Interface)モデルとSパラメータを使用した、オンチップ半導体動作(ビヘイビア)のモデリング機能を追加したと発表した。

シリアルデータレートが高速化するに従って、ほとんどの次世代シリアル技術では、完全にアイが閉じている遠端での測定が必要になっている。そのため、測定前にはアイを開くため、イコライゼーションが必要となる。従来、数学モデルをベースとしたリファレンスイコライザでコンプライアンステストを行ってきたが、このイコライザはシミュレーションとの相関性に欠けており、現実の複雑な半導体動作を再現できなかった。これに対し、IBIS-AMIモデルは実際のレシーバ半導体のアーキテクチャを使用して設計されている。

IBIS-AMIのサポートは、SDLA Visualizer(シリアルデータリンク解析ビジュアライザ)パッケージの一部として含まれている。SDLA Visualizerは、半導体の検証、システム検証、バックプレーンの特性評価、組み込みシステム性能のためのケーブル、フィクスチャ、プローブの効果をディエンベッドするソリューションである。SDLA Visualizerは、トランスミッタイコライゼーションのシミュレーションとSパラメータのスケーリングにより、what-ifチャネル解析もサポートしており、物理的なチャネルモデルを必要とせずにシステム性能を予測することができる。

この機能追加により、測定とシミュレーション間の相関性を向上させ、最新のモバイル規格、企業内ネットワーク、およびデータ通信規格用オンチップ半導体の動作と性能における、より迅速で正確な特性評価が可能になるとしている。

SDLA Visualizerの画面例