NTTコミュニケーションズは4月15日、2011月10月に発表したサービスビジョン「Global Cloud Vision」に基づくこれまでの取り組みと今後のサービス展開に関する説明会を開催し、代表取締役社長の有馬彰氏が説明を行った。
同社は「Global Cloud Vision」の下、オンプレミスを中心とした顧客のシステムをクラウド/コロケーションへ移行してグローバルに統合することで、アプリケーション/ネットワーク/セキュリティなどを組み合わせて運用管理するソリューションを提供することで、顧客の経営改革に貢献してきた。
有馬氏は「Global Cloud Vision」におけるこれまでの取り組みとして、「グローバルシームレスサービスの増加」「クラウドサービス拠点数の増加」「クラウドサービスの顧客数の増加」「データセンター面積・拠点数の増加」「ネットワーク提供国・地域の増加」「VPN契約回線数の増加」「マネージドセキュリティサービスの増加」「海外企業に対するM&A」を挙げた。
続けて、有馬氏は「Global Cloud Vision 2014」が顧客に与える価値として、「通信事業者ならではのネットワークとクラウドの連携強化」「仮想化の加速」「自動化の推進」について説明を行った。
「当社が提供するクラウドは通信事業者ならではのクラウド。クラウドとVPNを原則無料で接続できるのは、Amazonに対する差別化ポイントと言える。クラウドにインターネット接続する際のセキュリティ機能も提供している」と有馬氏。
仮想化については、現在はアプリケーション/ボイス/クラウドを中心に進んでいるが、今後はWAN/LAN/端末まで仮想化の範囲を拡大し、「箱物からサービス化に流れていく」という。今年4月からは「クラウド/コロケーションハイブリッドサービス」とSDNを活用してネットワークの仮想化を実現する「Arcstar Universal One Virtual」」も提供している。今夏には、クラウドとVPNの接続自動化、「Arcstar Universal OneのオプションとしてVirtela社のNFVを活用した新たなオプションの提供開始が予定されている。
今後の展開として、有馬氏は「インフラストラクチャ」「クラウド」「ネットワーク」「汎用アプリケーション」「総合カスタマーポータル」「クラウドマイグレーション」「マネージドセキュリティ」「」という9つの特徴を生かした形で行っていくと述べた。
例えば、クラウドについては、Bizホスティング Enterprise Cloudにおいて「コンピュート低価格メニュー」(今年4月提供)、「API」(今年6月提供予定)、「ソフトウェア型インターネットVPN接続」(今年5月提供予定)、「セキュリティ機能低価格メニュー」(今年12月提供予定)など、さまざまなメニューの拡充が予定されている。
運用管理としては、グローバルに点在するシステムを24時間365日ワンストップで運用・監視・保守する新メニュー「Global Management One」を、英語では今年4月から、日本語では今年7月から提供する。
有馬氏は、「Amazonはクラウドに関するサービス提供に特化しているのに対し、当社はネットワークやコロケーションまで含めトータルでクラウドサービスを提供しており、ソリューションとしての提供力がある。ただ、機能や価格面ではAmazonが進んでいるので、追いついていかないといけない」と、Amazonに対する強みとAmazonを超えるクラウドサービスを提供していくという意気込みを示した。