部下を持ったり、チームを率いる存在になったら、これまで通りの発言や言動では良くない場合がある。あなた自身の人格やモラルを疑われるような発言なら自己責任で済むが、チームを率いるにあたってNGの言葉を吐いてしまった場合はチームの士気を失わせる張本人となってしまう。

Open Forumが「部下のやる気を損なう9つの発言(原題:The 9 Most Demoralizing Things You Can Say to Employees)」という記事で、いくつかのタブー例を紹介している。

上の立場になるということは、自分の発言が及ぶ影響力が大きくなるということをまずは認識したい。また、モラハラやパワハラと見なされた場合は、自分のキャリアにも大きなダメージが出る。

記事では「話す前に2回考えること」というNapoleon Hill氏の言葉を引用して注意を促している。これらを考慮しながら、さっそく具体例をみていこう。

疑いを示唆する言葉に気をつける

「~だとよいが」「~できればいいけど」といった言葉を聞くと、部下は自分の可能性を疑われていると思ってしまう。「このプロジェクトを君がちゃんとやれると良いんだけど」と言うよりも、「君ならこのプロジェクトをやれる」と言ったほうが、言われた本人は上司の信頼を感じ、それに応えようと思うはずだ。

過酷な現実をそのまま伝えない

部下の将来的な昇進について率直に議論する場面で、無遠慮すぎないように真実を伝えるにはどうすればよいか。「可能性がないよ」と一言で片付けるのではなく、誠実さと親切さを表現するような言葉を選ぼう。

命令口調はNG

上の立場にあり、権力があるからこそ、部下に対して親切に接したい。いつだってクビに出来るという態度、自分が責任者であることを誇示する態度で部下に接している限り、部下はあなたのため、チームのために最大の力を発揮しようとは思わないはずだ。

余計な批判はなしに

部下にフィードバックを与えることは、その人の成長に繋がるし、チームのためにも良いことだろう。だが、不要な批判はやめておこう。

言い過ぎて自信を失わせることは、チームの損失といえる。あなたの責任は、事業を効率よくすることや、事業面での成果を上げることであって、それと関係ない部分で部下を不必要に批判したり非難するのはやめよう。

重要なことを任せてみる

クライアントや社内ミーティングで主だって発言するのは自分だけだという人がいるかもしれない。

だが、常に自分がリードをしなくては、という使命感を捨てて部下に任せてみるのも一つの手だ。失敗したくないというのであれば、事前に部下と打ち合わせをしておけばよいのだ。

最も重要な部分は、あなたがプレゼンするというのも良いだろう。「自分がやるから」だけではなく、部下への信頼も示すことが大事といえる。

人を卑下しない

ストレスが多い職場では、言って良いことと悪いことの境目がなくなってしまう。

部下とはいえ、社会人であり、大人なのだ。「こんなことも知らないのか」「これまでなにをやってきたんだ」「何回いえばわかるんだ」といった言葉は言うべきではない。

比較しない

「同期の〇〇君はできるのに」「前にやってもらった〇〇君の方がよかったな」といった比較はまったく逆効果だ。

言われた人は自信をなくすし、チーム間で緊張を生み、各自が得意なものを出し合ってコラボレーションするという雰囲気が作れない。

期待を打ち消さない

「できっこない」「そんな甘いことを考えているのか」といった発言は、成長しようというスタッフの気概を大きくそぐ。改善や成長の可能性を消してしまわないこと。

「みんな」に注意

「みんなが、お前を使えない奴だと言っていたぞ」「誰もが、お前とは一緒に仕事をしたがっていない」といった漠然とした一般化はやめよう。

注意したい場合は、「みんな」を使わずに自分の意見として、批判ではなくフィードバックを伝えることが重要。もし他のメンバーからの批判を伝える場合は、人名を出すか、「あるメンバー」というべきだ。