富士通研究所は4月14日、ネットワーク解析の専用ハードウェアを用意しないと実現が難しかった40Gbpsの通信データを蓄積しながら高速検索する技術をソフトウェアで実現したと発表した。

これまで、この技術をソフトウェアで実現しようとすると、メモリやディスクの排他制御などの影響で性能に限界があり、高速な通信を詳細に分析しながら蓄積すること難しかった。

今回、通信データを取得するキャプチャ処理から蓄積までの各処理を細かく分解してデータの流れを止めずに実施し、各処理に適したデータ量にパケットをまとめて受け渡す、排他処理の不要な非ブロック型のデータ処理技術によって、汎用ハードウェアとソフトウェアだけで40Gpbsまでの通信データ蓄積と検索処理性能を達成した。

40Gbpsの通信データ蓄積、検索システムの構成

スケーラブル蓄積部は、ディスク容量の拡張性と並列書き込み性能を確保するため、汎用のサーバを複数組み合わせてストレージとして構成している。

ストリーム解析部は、パケット解析のような逐次処理を高速化するため、いくつかの段階(ステージ)に分けて順番に処理している。

キャプチャから書込みまで非ブロック型で行うデータ処理技術

同技術により、一部のデータを取得するサンプリングや短期の観測では見逃されていたネットワークのボトルネックや通信に紛れた外部からの攻撃なども低コストで確実に捕捉できるようになり、ネットワーク品質の向上・データセンターの運用安定化・セキュリティ強化などに活用することが可能になる。