コニカミノルタは、ハンドキャリー型で高分解能を実現した超音波画像診断装置「SONIMAGE HS1」を発表した。
同製品は、1月に事業統合したパナソニックヘルスケア 超音波部門とともに共同開発した初めての製品で、コニカミノルタの写真フィルムで培った材料技術と、X線画像診断分野で蓄積された画像処理技術、パナソニックヘルスケアの超音波診断装置技術を融合させている。超音波プローブに独自の音響材料を用いて、高感度化と広帯域化の両立を実現するとともに、高次高調波を用いた「広帯域ハーモニックイメージング」によって、従来よりも多くの信号を画像化に利用できるようにした。さらに、X線画像診断分野で培った画像処理技術「HS処理」を応用し、組織の描出力を向上させ、高い分解能を実現している。これにより、太さ数十~数百μm程度の筋束や神経束の繊維構造まで鮮明に見える高画質な画像が得られ、医師の診断を強力にバックアップする。
さらに、現場の意見を取り入れ、使用者のワークフローに合ったユーザーインタフェースを開発し使い勝手を向上させた。従来の超音波画像診断装置では数十個ある操作キーを、使用頻度の高い8つに絞った。これにより、患者から目線を逸らすことなく主要な操作をブラインドタッチで行える。それ以外の操作は、画面上のタッチパネルで直感的に行えるようにした。そして、装置の起動時間を15秒に短縮し、待ち時間のストレスを低減させた。加えて、バッテリ内蔵のため、病室や手術室などへの移動が簡便になるとともに、予備のバッテリを持参すれば、在宅医療現場や野外の電源がない場所でも使用が可能になった。
また、神経ブロック注射や中心静脈穿刺でカテーテルを挿入する際、針が目的部位に到達しているかどうかを超音波ガイド下で確認することがある。このとき、針が皮膚表面から急な角度で刺された場合、従来の方式では針の検出が困難だった。同製品は、独自のアルゴリズムで針の位置を算出し、画面上で光らせて針視認性を向上させる「穿刺針強調表示」によってこの問題を解決し、より安心安全な診断をサポートする。
この他、同社の医療用画像オールインワンシステム「Unitea」シリーズと接続することで患者情報の一元管理が簡単になり、医療ITソリューション「infomity」を介して各種の医療連携機関と画像データを共有することも可能になる。
なお、価格は本体部が4000万円(税別)。7月より発売する。