三菱マテリアルの電子材料事業カンパニーは4月9日、ラオス人民民主共和国に製造子会社を設立したことを発表した。これは電子デバイス事業の主力製品であるサーミスタセンサの増産体制を構築することを目的としている。
サーミスタセンサ事業は、大規模な市場である中国において、主にエアコン・冷蔵庫をはじめとした白物家電向けの販売が好調に推移しており、今後も同市場での需要拡大を見込んでいる。特に、インバータ式エアコンの普及にともなうエアコン向けサーミスタセンサ市場拡大に加え、高性能素子の使用により高い信頼性を有している当社サーミスタ製品が、高温多湿の環境下で使用される室外機向けセンサの要求性能に適していることから、当社は中国を今後一層の拡大が見込める市場として注視しているとした。
また、将来的には東南アジア地域おいて、オートバイ向けなどへの新製品販売数量拡大も見込んでいるという。
三菱マテリアルの電子デバイス事業は、2012年から海外への製造シフトを進め、現在はタイとマレーシアに製造拠点を有してる。しかし、両国では労務コストが上昇傾向にあることから、今後の増産体制を構築するに当たりインドシナ・東南アジア地域における進出先を検討が必要だった。ラオスに製造子会社を設立した理由には、労務コストが比較的低廉で、勤勉な国民性であること、政府の投資奨励策により、インフラコスト・税制面で優位性があること、タイ語と言語上の類似性があり、タイにある当社製造拠点のノウハウ導入が容易であることなどが挙げられている。
三菱マテリアルは2011年度開始の中期経営計画「Materials Premium 2013」において、「海外市場、特に新興国市場への展開」、及び「“マテリアル・プレミアム”の実現」を軸に、成長戦略を推進してきた。今回のラオス進出は「海外市場、特に新興国市場への展開」に沿うもの。