エフセキュアは4月10日、最近の調査で10社中4社の中小中堅企業が古いソフトウェアを使用しているということが判明し、データ漏洩に対し無防備な状態にあると警告した。

なんらかの商品を購入して、長い期間保管しておけば、それはやがてヴィンテージ化する。粋で独特の味を出し、過ぎ去った日々へと時間を戻してくれるヴィンテージは、ファッションや家具、車にとっては魅力的であるが、商用ソフトウェアにとって古いということはセキュリティリスク以外の何物でもない。エフセキュアの調査では、多くの企業が古いソフトウェアを使用することで会社の資産を大きな危険にさらしていることが判明している。

94%の中小中堅企業は、ソフトウェアを常に最新の状態にしておくことが重要であると考えている。しかし、現実にはそのようになっていない。自社のソフトウェアが常に最新の状態であると答えた企業はわずか59%であり、ソフトウェアを最新の状態に保つのに充分なリソースがあると答えた企業は63%にすぎなかった。

ソフトウェアを最新の状態に保つことは、ビジネスでのセキュリティ全体において非常に重要な要素の1つである。古いソフトウェアには、サイバー犯罪者が企業ネットワークへの侵入経路として悪用可能なセキュリティ上の欠陥が潜んでいる。エフセキュアラボが検出したマルウェアトップ10の70%から80%は、ソフトウェアを最新の状態にしておけば防ぐことができたものだ。

企業は、ソフトウェアのアップデートに1週間当たり平均11時間の時間を費やしていると報告している。企業の規模が大きくなるほど、その時間は増えている。従業員数50人未満の企業では、1週間当たりの平均時間が3時間であるのに対し、従業員数が250人を超える企業ではこの時間は15時間以上になる。