三菱電機は4月9日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から契約者に選定されていた温室効果ガス観測技術衛星2号「GOSAT-2」の本格的な開発・製造に着手したと発表した。

「GOSAT-2」は、世界の温室効果ガス計測の基準となる実用測定精度の確立を目指し、観測センサの高性能化を実現。CO2測定精度を「いぶき」の4ppmから0.5ppmに向上させている。また、有効データが取得できない雲を避け、自律して雲のない領域を指向・観測するインテリジェントポインティング機能を新たに搭載し、有効観測データ数の向上に寄与する。

さらに、温室効果ガス観測センサに新たな観測波長域を追加したことにより、「いぶき」の観測対象である二酸化炭素、メタン、酸素、水蒸気に加え、一酸化炭素を観測できる。そして、雲・エアロソルセンサへの観測波長域追加により、ブラックカーボンやPM2.5などの微小粒子状物質を推計し、大気汚染を監視する。

この他、衛星システム・観測センサの開発・製造の他に、衛星データの処理などを含めた地上設備の構築、打ち上げ後の衛星の管制運用もトータルで担当する。

今後、2017年度予定の打ち上げに向けて、同衛星システムにより、日本政府が推進している「攻めの地球温暖化外交戦略」へ寄与していくとしている。

「GOSAT-2」の軌道上イメージ